2022 Fiscal Year Research-status Report
日本におけるマスギャザリング対応に必要な看護ケアの体系化
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18K19707
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
三浦 英恵 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (40588860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神原 咲子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (90438268)
石田 千絵 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (60363793)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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Keywords | 看護学 / マスギャザリング / 感染症 / 災害 / 教育的介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、仙台フレームワークの健康安全保障と健康面の実施に関する世界的ロードマップやWHOの各種ガイドライン等について、災害看護の観点から持続可能な開発目標を達成するため、効果的なアプローチの解釈を試みた。その内容をまとめ、マスギャザリング対応に必要な看護ケアの体系化の基礎資料として位置付けた。 仙台フレームワークを健康分野でどのように追求するのが最善かという議論が、健康フレームワークの作成につながり、仙台フレームワークが採択された翌年の2016年には、保健分野の専門家を中心に「仙台防災枠組の健康面の実施のためのバンコク原則(2016)」がまとまった。その中で、災害リスク軽減(DRR)政策・計画やDRRの取り組みを健康・医療政策に取り入れること、災害に強い健康・医療システムの開発、健康・医療インフラへの投資、能力強化、健康データの整理・活用、科学技術の推進などのステップが提唱された。2019年、世界保健機関は、感染症、紛争、自然災害、産業事故、その他のハザードに起因する公衆衛生リスクを管理し、資源を有効に活用するための概念と原則を提示した「健康緊急・災害リスク管理フレームワーク」をまとめた。その原則とは、社会の脆弱性の下でリスクを軽減すること、災害が起きてから対策を講じるのではなく、備えを強化すること、あらゆる災害に備えること、社会の脆弱性と能力に焦点を当てること、災害への対応に保健セクターだけでなく社会全体を動員すること、保健セクターだけでなくすべての関係者が責任を共有すること、災害後の対応よりリスク管理を優先すること、地域社会の参加を求めること、などである。この考え方は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジによる包括的プライマリー・ヘルスケアや災害看護に通じるものであり、持続可能なコミュニティにおける人間中心のフレームワークに落とし込む必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行に伴う医療機関への影響が続いているため。研究対象となる看護職を対象とした教育的介入は、さらなる負担を与える可能性があるため、研究の実現が難しくなっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
感染症類型が変更になったものの、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う医療機関への影響がすぐに改善するわけではないため、WHOから発信されている各種ガイドラインを含む知見や世界的なロードマップを災害看護の観点、特に感染症に焦点を当てて、本研究目的である「マスギャザリング対応に必要な看護ケアの体系化」を完成させる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症により、医療機関への影響が続き、研究の実現可能な方略の検討に迫られたため。令和5年度は最終年度であり、792,662円の使用を予定している。物品費20万円(WEB会議を行うためのPC・周辺環境の整備費用、関連書籍等)、旅費25万円(学会での成果発表等)、人件費・謝金10万円、その他24万円(学会参加費、翻訳・英文校正費、調査委託費等)を予定している。
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Research Products
(1 results)