2018 Fiscal Year Research-status Report
Effects of dioxin exposure on brain regional volumes and connectivity between among regions in highly exposed male residents in Vietnam
Project/Area Number |
18K19709
|
Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
西条 旨子 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40198461)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
的場 宗孝 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90288308)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
|
Keywords | ダイオキシン / 脳 / MRI / 成人男性 / 性ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
ベトナムにおけるダイオキシン高暴露地域に居住する男性の内、以前我々の研究に参加して血中ダイオキシン濃度とホルモンレベルの把握されている男性を対象として脳の体積と各領域間の結合性へのダイオキシン暴露の影響を明らかにすることを目的とする。 体積は、脳MRIを3D―T1強調画像にて撮影し、上丘、扁桃体、脳幹、海馬、視床、大脳の白質等の体積をVBM (Voxel-based morphometry)法で、下垂体の体積はマニュアルで周辺にロイを設定することで算出する。また、結合性は、DTI法により撮影した後、上丘―扁桃体間、視床―扁桃体間等の神経束をトラクトグラフィー(tractography)により、3 次元空間の中で再構築する。また、各線維束において、線維結合の強さを反映すると考えられている組織特性値(fractional anisotopy, FA値)を算出し、ダイオキシン暴露レベルや性ホルモンレベルとの関連性を検討する。このため本年度は、ボランティアの非曝露男性3名の脳MRI検査を、ベトナム・ビエンホア市にある県立ドンナイ病院にて、シーメンス社3TMRI装置(TrioTim)を用いて行った。得られたデータを、DICOMデータとしてDVDに保存し、東京にあるBioView社に送り、試験的なデータベース作成を依頼した。現在データの完成を待っているところであり、ダイオキシンとの関連性を明らかにするために最適な解析方法を検討する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
金沢医科大学放射線科の技術協力および現地ベトナムの医療機関およびシーメンス社の協力が得られ、解析に足るMRIの撮影が実現した。また、MRIデータ解析の専門機関であるBIOVIEW社の援助も大きく、実測定が行える状態にまで到達することができた。しかし、神経因子等の測定は行えなかったため、「おおむね順調」と評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度8月に、2年前に血中ダイオキシン濃度と性ホルモン濃度を測定した20代から40代の男性35名の脳MRI測定を予定している。その際に、血液検査も実施し、脳内でのドーパミン作用に関わる因子として血清中の神経成長因子(NGF)や神経栄養因子(NTF3)をELIZAにて測定する。また、プロラクチンや性ホルモンも検査機関に依頼して再測定する予定である。さらに、認知機能やADHD傾向等の神経系への影響もテストバッテリーを用いて測定する。 また、5年前に血中ダイオキシン濃度と性ホルモン濃度を測定した50代以上の男性40名について、本研究参加の意志を確認する調査を8月に実施し、同意の得られた男性について、年末に追加のMRI検査および血液検査、神経検査を予定している。
|
Causes of Carryover |
ベトナムにおけるMRIの試験撮影が年度末の3月となり、解析機関の納品が次年度となったことから、未払いになっていること。また、当初予定していたプロラクチンや神経因子の測定が検体が得られなかったことから、次年度に持ち越された事による。 よって次年度には、これらの未使用分をMRIデータ試験解析への報酬および検診実施後にホルモンや神経因子のキットを購入するための費用として使用する。
|
Research Products
(1 results)