2021 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of air pollution on neuropsychological development in children
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18K19713
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
島 正之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40226197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤木 潤子 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60441268) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 大気汚染 / 小児 / 精神神経系 / 発達 / 出生コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
兵庫県尼崎市において実施されている出生コホート研究である「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」に参加している約4,800人を対象に、質問票調査を用いて小児の自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)等の発達に関する評価を行った。また、2020~2021年度に6歳時の医学的検査を受診した205名のうち、保護者の同意が得られた子どもを対象に精神神経発達に関する検査として、公認心理師が知能検査(WISC-IV)を行って知能指数(IQ: Intelligence Quotient)を測定した。同時に、保護者には子どもの情緒や行動を包括的に評価するための質問票であるChild Behavior Checklist (CBCL)に回答してもらった。 WISC-IVは195名の子どもに実施し、全検査IQおよび4つの下位検査である言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度のそれぞれの平均(標準偏差)は、96.2(13.6)、98.3(13.4)、101.5(15.1)、88.4(15.7)、96.4(14.29)であった。CBCLは201名に実施し、全問題尺度、内向尺度、外向尺度の平均点は、55.8(8.7)、54.7(8.7)、55.4(9.3)であった。 これらの対象者について、エコチル調査で得られている妊娠日、生年月日、居住地、転居歴等の情報に基づき、個人毎に胎児期~乳幼児期における大気汚染物質への曝露濃度を推計して、精神神経発達検査の結果と大気汚染への曝露との関連を検討した。その結果、WISCの全検査IQ及び知覚推理とPM2.5の間には正の相関が認められた。CBCLでは、いずれの尺度についても大気汚染との有意な関連は認められなかった。
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