2019 Fiscal Year Research-status Report
要介護認定で見られる「認知症」の発症前過程に基づく類型化と類型別予防法の検討
Project/Area Number |
18K19718
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
天野 秀紀 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究助手 (90260306)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
|
Keywords | 要介護認定 / 認知症 / 意欲低下 / 抑うつ |
Outline of Annual Research Achievements |
既存の縦断データを用いた統計解析、並びに、データを拡張するための追加調査を実施した。 これまでの解析により、要介護認定における「認知症」(「認知症高齢者の日常生活自立度」I 以上かつ要介護I以上)には、はじめから重症認知症として発症するタイプが2割程度、様々な認知機能が数年に渡り徐々に低下したのちに軽症認知症として発症するタイプが5割程度含まれるほか、認知機能の漸次低下を示さないまま軽症認知症として発症するものが3割程度含まれることが明らかとなっていた。本態が未解明な最後のタイプについて手がかりを得るため、このタイプの症例の、発症前5年間における抑うつ症状と意欲低下症状の推移に基づく類型化を試みた。その結果、このタイプの約4分の1においては、発症前に認知機能低下が見られないものの抑うつ症状と意欲低下症状の増加が見られた。別の2分の1においては、認知機能低下も抑うつ症状増加も見られなかったが意欲低下症状の増加が見られた。残る4分の1では、認知機能低下、意欲低下、抑うつ症状とも見られなかった。「認知症」に含まれる異質な亜集団について、その特性の一部が明らかになった。 追加調査として、某地域の65歳以上在宅高齢者を対象とした健康診査を実施し、参加者700余名について、昨年と同様の測定を行った。 今後は、更に追加調査を行いデータを蓄積した上で、「認知症」の類型化と類型別の危険因子の検討を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
追加調査を実施し、研究用データセットを拡張できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
更に追加調査を行いデータを蓄積した上で、「認知症」の類型化と類型別の危険因子の検討を行う。
|
Causes of Carryover |
認知症発症例の蓄積と安定的類型化が早期に達成された場合には保存検体を用いた危険因子の測定を開始する予定であったが、時期尚早と判断し、測定開始を次年度に持ち越した。
|