2019 Fiscal Year Research-status Report
習慣的多量飲酒による大腸疾患のリスク増大への腸内細菌の関わり
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18K19721
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 亨 東北大学, 工学研究科, 教授 (80268523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 英夫 神戸学院大学, 栄養学部, 准教授 (40351762)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | エタノール / 飲酒習慣 / 慢性投与 / 大腸がん / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
習慣的な多量飲酒は種々のがんリスク因子であり,その1つに大腸がんがあげられる.国内でもアルコール依存症患者の大腸の腺腫及びがんの発見率は顕著に高いことが報告されているが,その機序については未解明な部分が多い。 そこで本研究では,マウスへのエタノール継続投与により,がんの誘因となる結腸傷害と炎症反応,特に酸化ストレス誘導への影響について調査検討を行った.また腸内細菌叢への影響についてもモニターした. SPFレベルの雄マウス(8週齢)につき,10週間にわたりエタノールを慢性投与した.エタノール投与群は, 毎日1回1 ml の1.5% (vol/vol) EtOHを経口投与する群 (EtOH 1.5%群;0.5~0.6 g/kg/day)と,毎日1回1 ml の5.0% (vol/vol) EtOHを投与する群 (EtOH 5.0%群;1.7~2.0g/kg/day)であった.EtOH 1.5%エタノール投与群では結腸組織の損傷が認められ,結腸組織における酸化ストレスマーカー(8OHdG, 4HNE)のレベル,炎症性サイトカイン(TNF-alpha, IL-6, IL-17A)のmRNAレベル,炎症性免疫細胞数の変化(マクロファージとTh17の増加とTregの減少)が認められた. またAGEやRAGEのレベルも増加していた.エタノールの慢性投与2週間後のEtOH 5.0%エタノール投与群でも同様な傾向が認められた.10週間後におけるこれらのレベルは対照群よりも有意に高かったが,2週間後のレベルと比較するとむしろ減少していた. 以上の結果から,マウス結腸粘膜に対するエタノールの慢性投与の影響を発がんリスク増大との関連で考察した.現在,マウス糞便の菌叢構造をエタノール慢性投与群と対照群とで比較している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス結腸粘膜に対するエタノールの慢性投与の影響を発がんリスク増大との関連で考察し、当初の予想通り腸管組織への酸化ストレスの付与が認められた.
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Strategy for Future Research Activity |
マウス糞便の菌叢構造をエタノール慢性投与群と対照群とで比較したのち,観察されたエタノールの慢性投与の影響に対して抗酸化剤投与がどのような効果を示すか調査する予定である.
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Causes of Carryover |
初年度の実験の多くが既存の試薬や消耗品で対応することができ,そのときの使用額の差異が今年度にも反映されている.
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