2019 Fiscal Year Research-status Report
脳活動と機能的ネットワークに基づいたスポーツ脳振盪の病態解明と競技復帰基準の構築
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18K19725
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
室井 愛 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10709215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸島 愛樹 筑波大学, 医学医療系, 講師 (40722525)
鎌田 浩史 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60518801)
松下 明 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (80532481)
五月女 康作 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任助教 (80608795)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 脳振盪 / fNIRS / resting-state fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
脳振盪は頭部打撲後の一過性の神経機能障害と定義され多彩な症状を呈するが、その病態は未だ明らかになっていない。臨床的な回復と生理学的な回復には時間的乖離があるとされており、症状の消失のみで競技復帰時期の判断を行うことは、早すぎる競技復帰による症状の悪化や症状遷延をきたす危険性がある。本研究では脳振盪における臨床的評価および酸化ストレス度解析やMRIによる脳の機能的ネットワーク解析などの複合的な評価を行うことによって、特にスポーツ関連脳振盪の病態解明と安全な競技復帰基準の構築を行うことを目的としている。 2019年は回復の基準となりうる評価方法の測定方法について検討し、さらにデータを蓄積した。 機能的近赤外線分光法(fNIRS)による脳機能解明の方法について検討した。脳振盪では脳機能的ネットワークの障害や前頭葉の機能障害が起こるとされており、より簡便に認知機能の評価を行うため前頭葉機能の評価を重点的に行うようこれまでの先行研究を検討した。前頭葉機能の評価を行うため、測定部位や測定の際に用いるタスクについて検討し、評価のプロトコールを作成した。スポーツ脳振盪患者を含む頭部外傷患者において、定量的瞳孔測定を行い、受傷早期の種々の瞳孔測定項目が予後と関連している知見を得た。 また、先行研究において確立していたマウスの頭部外傷モデルにおいて活性酸素消去剤を用いた神経保護効果について検討した。 脳振盪と診断した患者については、初診時に上記評価に加えて臨床症状、平衡機能検査、眼球運動評価、高次機能評価などを行った上で、段階的に競技復帰に向けて運動療法を行っている。その際も心拍などの運動生理機能評価を併用して脳振盪後の呼吸循環に与える影響を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで様々な評価項目において臨床データを蓄積できてきており、学会発表なども行っている。対象となる脳振盪患者は受傷機転や受傷から受診までの時期などが一定でなく、同じ条件下で評価できた症例数が十分ではないため、結果を得るためには今後さらなる症例の蓄積と統計学的分析が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、さらなる症例とデータの蓄積を行い、統計学的分析を行う予定である。 また、fNIRSなどのタスクを与えた評価項目の測定を脳振盪患者と正常群とで行い比較検討する予定である。
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Causes of Carryover |
現時点で進捗状況が予定より遅延しており、正常コントロール群への謝礼などが発生していないため。
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Research Products
(6 results)