2022 Fiscal Year Annual Research Report
A novel anti-allergic property by food factor possessing high affinity lectin-like protein against IgE
Project/Area Number |
18K19741
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
水野 雅史 神戸大学, 農学研究科, 教授 (00212233)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | Ⅰ型アレルギー / 腸上皮細胞 / ガレクチン9 / フコイダン / コンブ |
Outline of Annual Research Achievements |
コンブ中に含まれているフコイダンを経口摂取すると、血中にガレクチン9(Gal9)が分泌され、このGal9がアレルギー発症の引き金となるIgEと結合することで、肥満細胞とIgEとの結合を阻害され、アレルギー発症は抑制されることは既に明らかにしてきた。しかしながら、経口摂取したフコイダンがどのようにして腸管で認識されるかは明らかではない。そこで本研究では、腸上皮細胞および肥満細胞様培養細胞を用いて、フコイダン認識受容体を明らかにした。先ずフコイダンによるGal9産生機構を実証するため、HT-29細胞とRBL-2H3細胞からなる供培養系を構築し、フコイダン添加量に依存して基底膜側にGal9が分泌され、反応時間とともに分泌量およびGal9 mRNA発現量が増加することを明らかにした。また、RBL-2H3の脱顆粒も抑制されることが分かり、この測定系がフコイダンによるアレルギー抑制効果機構の解明に有用であることも明らかにした。そこでこの測定系を用いてフコイダンによる腸上皮細胞状からのGal9分泌に寄与する受容体の探索を行った。TLR9の関与を明らかにするため、HT-29細胞をフコイダン溶液及び合成TLR9アゴニストに暴露し、lgals9 mRNA発現を定量RT-PCRで、ガレクチン-9のタンパク質発現をELISAで分析した。さらに、TLR9 siRNA配列をトランスフェクションさせたHT-29細胞TLR9のノックダウン株を用いて、ガレクチン9放出への影響を評価した。その結果、TLR9ノックダウンすると、フコイダンに誘導されるガレクチン9タンパク質が減少する傾向が観察された。以上のことより、フコイダンを経口摂取した際には、腸管上皮細胞に発現しているTLR9受容体を介して血中にガレクチン9を産生することでⅠ型アレルギーが抑制されることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)