2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K19747
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金子 弥生 九州大学, 医学研究院, 助教 (20647482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 久雄 九州大学, 医学研究院, 教授 (20205561)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 廃用性筋萎縮 / オルガネラ / 小胞体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、従来の動物個体を使った研究方法を一変させる、培養細胞・単離オルガネラを用いた『廃用性萎縮筋のモデルとなるハイブリッド細胞in vitro系』を創出を目的としている。モデルin vitro系としては二つを想定しているが、該当年度においては、その一つである「萎縮筋オルガネラ再構成系」について進展があった。 この系の材料として、小胞体とゴルジ体の種小胞はそれぞれカエル卵とラット肝臓から単離し、萎縮筋上清はラットから調整する。ゴルジ体の方はin vitroゴルジ体再構成系の構築が完了しているが、小胞体の方はカエル卵からの小胞体種小胞とカエル卵上清でしかin vitro小胞体再構成系は確立していない。該当年度では、カエル卵からの小胞体種小胞とラット細胞質上清を用いたin vitro小胞体再構成系の条件を検討した。 まず、このアッセイの最適反応温度を確認した。従来のカエル小胞体種小胞とカエル卵上清を用いた再構成系は25℃で行っているが、ラットの体温37℃を考慮し、25℃から37℃の間で検討した。その結果、25℃、33℃、37℃では小胞体網目構造の再構成が安定して行われなかったが、30℃で比較的安定的に再構成されるということを確認した。次に、塩洗浄したカエル小胞体種小胞にラット細胞質上清を加え、小胞体を再構成する条件を検討した。塩洗浄したカエル小胞体種小胞を用いると小胞体の網目構造がほとんど再構成されなくなるが、これにEGTAを添加しすると小胞体の網目構造が再構成されることを見いだした。EGTAの濃度は10mMまで濃度依存的に小胞体の網目構造が再構成された。 これで「萎縮筋オルガネラ再構成系」の土台となるin vitro小胞体再構成系を確立することができた。次年度はいよいよ萎縮筋の筋上清で「萎縮筋オルガネラ再構成系」を行い、萎縮筋オルガネラの詳細を解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「萎縮筋オルガネラ再構成系」の土台となるin vitroゴルジ体再構成並びにin vitro小胞体再構成系を確立が完了した。次年度はいよいよ萎縮筋の筋上清で「萎縮筋オルガネラ再構成系」を行い、萎縮筋オルガネラの詳細を解析する。
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Strategy for Future Research Activity |
「萎縮筋オルガネラ再構成系」の土台となるin vitroゴルジ体再構成系並びにin vitro小胞体再構成系を確立が完了した。今後の予定としては、まずラットの萎縮筋上清を調整し、in vitroゴルジ体再構成系ならびにin vitro小胞体再構成系に用いて「萎縮筋オルガネラ再構成系」を確立する。その後、この系でオルガネラの形態を詳細に検討するため、オルガネラ染色プローブなどの蛍光インディケーターとLive-imaging共焦点顕微鏡の組み合わせで検討する。さらに固定後、(免疫)電子顕微鏡で微細構造を詳細に観察する。
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Causes of Carryover |
該当年度にはシステム構築の条件を検討する実験をしていたが、次年度にはそのシステムを本格的に使用してデータを出すため、材料費等で該当年度よりも多額が必要になることが考えられる。
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