2020 Fiscal Year Annual Research Report
Functional significance of the mitochondria-based intracellular metabolic network regulated by de novo synthesized serine.
Project/Area Number |
18K19748
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古屋 茂樹 九州大学, 農学研究院, 教授 (00222274)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | セリン / 遺伝性代謝疾患 / ミトコンドリア / PHGDH / インスリン/IGF |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、非必須アミノ酸であるセリンの合成酵素Phgdhの遺伝子変異によるセリン欠乏が惹起する細胞死・個体致死という重篤な表現型の根幹の機序としての 「ミトコンドリア機能不全仮説」を検証し、関与機構の分子的実態を明らかすることを目指している。2020年度前半は新型コロナウイルス感染による緊急事態宣言に伴う行動制限のために、学内での実験が大幅に制限されたために複数の実験計画実施が困難であったが、再開後以下の成果を得た。 まずPhgdh欠損マウス胚性線維芽細胞(KO-MEF)について、セリン制限によるミトコンドリアの量と膜電位の変化を共焦点超解像度レーザー顕微鏡を用いて生細胞で特異蛍光色素を検出し、3次元構築データから細胞あたりの詳細な定量値を得て解析を行った。その結果、セリン制限24時間後のミトコンドリアの量的減少と膜電位の顕著な低下を観察した。Phgdh再導入KO-MEFではこれらの変化が生じないことから、細胞内外からセリンの合成・供給が絶たれると24時間以内にミトコンドリアの量的減少と膜電位の低下に至ることが明らかとなった。さらに、予想外なことに、これらの変化は著しい細胞の形態変化を伴っており、細胞骨格系の再編成が生じていることも新たに見出した。以上の知見を踏まえ、ミトコンドリア分解(マイトファジー)について生細胞観察も試みたが、現行観察条件では検出が困難であったため、マイトファジー関連分子の発現解析を行った。その結果、Parkin非依存経路の構成分子について、セリン制限条件での遺伝子発現増加を確認できた。 続いてセリン欠乏によるインスリン/IGF情報伝達経路変化について引き続き検討を行い、24時間の培地セリン制限により、同経路を構成する複数分子について、酵素活性低下および量的減少を見いだし、同シグナル経路の減弱に関わる具体的な上流機序について探索を進めた。
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[Journal Article] Effect of selectively knocking down key metabolic genes in Muller glia on photoreceptor health.2021
Author(s)
Shen W, Lee S-R, Mathai AE, Zhang R, Du J, Yam MX, Pye V, Barnett NL, Rayner CL, Zhu L, Hurley JB, Seth P, Hirabayashi Y, Furuya S, Gillies MC
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Journal Title
Glia
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
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