2021 Fiscal Year Research-status Report
相反性抑制機能を向上する新しい介入:電磁気刺激とフィードバックの統合効果
Project/Area Number |
18K19750
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
鈴木 誠 東京家政大学, 健康科学部, 教授 (80554302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田山 淳 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (10468324)
田中 悟志 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10545867)
小川 豊太 (濱口豊太) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80296186)
鈴木 貴子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (60549343)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 行動学習 / リハビリテーション / 脳刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の研究では,健常成人15名を対象として,感覚神経からの入力が一次運動野に到達するのに同期して経頭蓋磁気刺激を行うPAS-LTP条件と感覚神経からの入力が一次運動野に到達するのに先立って経頭蓋磁気刺激を行うPAS-LTD条件における皮質脊髄興奮性の相違を検証することを目的とした.PAS-LTP条件では,手関節部の正中神経に対する経皮的電気刺激の25 ms後に一次運動野に対する経頭蓋磁気刺激を行うペア刺激を0.25 Hzの頻度で200回反復した.PAS-LTD条件では,手関節部の正中神経に対する経皮的電気刺激の10 ms後に一次運動野に対する経頭蓋磁気刺激を行うペア刺激を0.25 Hzの頻度で200回反復した.刺激による皮質脊髄興奮性の変化を評価するため,刺激前後で橈側手根屈筋(主動筋)と橈側手根伸筋(拮抗筋)から単発刺激による運動誘発電位振幅(Single),GABAA作動性神経の活動を反映する短潜時2連発刺激による運動誘発電位振幅(SICI),GABAB作動性神経の活動を反映する長潜時2連発刺激による運動誘発電位振幅(LICI)を記録し,刺激後の値を刺激前の値で除して正規化した.その結果,主動筋ではPAS-LTD条件よりもPAS-LTP条件においてSingleが増加しSICIとLICIが減少した.一方,拮抗筋では,PAS-LTP条件よりもPAS-LTD条件においてSingleが増加し,SICIとLICIが減少した.2021年度の実験により,一次運動野内のシナプスに関する入出力の因果性が介在ニューロンを介して主動筋と拮抗筋に相反的な影響を及ぼすことが示唆された.本研究による知見は,電磁気刺激を活用した運動介入プログラムの開発に寄与することができる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度の予定であった連合性ペア刺激が相反性抑制機能に及ぼす影響を明らかにすることはできたものの,運動パフォーマンスの変化についてはさらに検証する必要があるため.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究では,今年度までに行った連合性ペア刺激と運動解析の手法を応用し,連合性ペア刺激が脳活動および運動パフォーマンスに及ぼす影響について健常者を対象にした実験を継続する.それによって,連合性ペア刺激の臨床的な有用性を検討する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大に伴う実験活動の自粛要請により研究に遅れが生じたため.次年度は,実験遂行のための物品費および消耗品費,研究成果を学会にて報告するための出張旅費,被験者謝金,研究結果を論文発表するための英文校正費および論文掲載費の執行を予定している.
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Research Products
(18 results)