2021 Fiscal Year Research-status Report
脂質代謝能力の違いは中高年の生活習慣病の発症リスクと関連するか?
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18K19759
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Research Institution | Surugadai University |
Principal Investigator |
坂本 静男 駿河台大学, スポーツ科学部, 特任教授 (00266032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷澤 薫平 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 専任講師 (50771812)
田端 宏樹 順天堂大学, 大学院医学研究科, 博士研究員 (50876886)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 脂質代謝能力 / 糖尿病 / 高血圧症 / 脂質代謝異常症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は早稲田大学の卒業生およびその配偶者を対象とした観察型コホート研究“WASEDA’S Health Study”と連携して実施している。2021年度もCOVID-19の影響で測定を実施できなかったため、ベースライン測定データを用いて脂質代謝能力と生活習慣病との関連について解析を行った。 脂質をエネルギー基質として利用する能力である脂質代謝能力は生活習慣病のリスクとの関連が示されている(Rosenkilde et al., 2010)。しかし、中高齢者では脂質代謝能力と生活習慣病との関連について検討されていない。そこで、”WASEDA’S Health Study”のベースライン測定参加者の内、解析に使用するデータが揃っている1105名で解析を実施した。 脂質代謝能力の指標は運動負荷試験により測定した脂質酸化量の最大値(maximal fat oxidation:MFO)を用いた。性別に除脂肪体重当りのMFOで三分位に分け、第1三分位群を基準にした場合の他の群の糖尿病、高血圧症、脂質代謝異常症の多変量調整オッズ比および95%信頼区間(CI)をロジスティック回帰モデルで算出した。 高血圧症、脂質代謝異常症のオッズ比に有意な差は認められなかったが、糖尿病において第3三分位群で有意に高いオッズ比を示した(OR: 2.95, 95%CI: 1.39-6.26)。しかし、高血圧症、脂質代謝異常症、糖尿病など種々の疾患に対する服薬の有無で層別解析を実施したところ、服薬していない人では糖尿病のオッズ比の有意差は認められず、服薬している人のみで有意に高いオッズ比が認められた(OR: 4.66, 95%CI: 1.85-11.72)。 よって、中高齢者において脂質代謝能力と生活習慣病は関連しないと推察された。また、生活習慣病の服薬者では脂質代謝能力が高まっている可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的は中高年男女コホートを用いて、横断研究で脂質代謝能力と関連が強い疾患や危険因子を推定し、縦断研究で脂質代謝能力の変化が生活習慣病の有病率および危険因子へ与える影響を明らかにすることである。 本研究は40歳以上の早稲田大学の卒業生およびその配偶者を対象としたコホート研究“WASEDA’S Health Study”と連携して実施している。しかし、2021年度も2020年度と同じくCOVID-19の流行によりWASEDA’S Health Study の測定が中断しており、縦断的な解析を実施できなかった。そのため、本研究課題はやや遅れているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も早稲田大学の卒業生を対象としたコホート研究 (WASEDA’s Health Study)と連携してデータの測定および試料の採取を行う。COVID-19の影響により測定は現在中断しているが、2022年7月以降に再開予定である。2022年度は1年目に測定した341名の内100名の追跡測定と新規参加者100名の測定を行う予定である。測定と並行して、これまでに測定したデータを用いて解析を行う。 5年目までの測定で完成した1379名のコホートデータを用いて、脂質代謝能力の関連要因の解明および生活習慣病の有病率および危険因子との関連を引き続き検討する。この結果は「第10回介護予防健康づくり学会」にて学会発表を行う。その後、学会発表で得られた助言を参考に、脂質代謝能力と生活習慣病の有病率および危険因子との関連を再度検討し、研究成果を論文としてまとめ上げる。
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Causes of Carryover |
本研究課題は早稲田大学の卒業生を対象としたコホート研究 (WASEDA’s Health Study)と連携して実施している。2021年度もCOVID-19の影響によりコホート研究の測定が実施出来なかったため次年度使用額が生じた。生じた次年度使用額は2022年度の測定に掛かる費用および研究成果発表費用として使用予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Female Athletes Genetically Susceptible to Fatigue Fracture Are Resistant to Muscle Injury: Potential Role of COL1A1 Variant2021
Author(s)
3.Miyamoto-Mikami E, Kumagai H, Tanisawa K, Taga Y, Hirata K, Kikuchi N, Kamiya N, Kawakami R, Midorikawa T, Kawamura T, Kakigi R, Natsume T, Zempo H, Suzuki K, Kohmura Y, Mizuno K, Torii S, Sakamoto S, Oka K, Higuchi M, Naito H, Miyamoto N, Fuku N.
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Journal Title
Medicine & Science in Sports & Exercise
Volume: 53
Pages: 1855~1864
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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