2018 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of glucose and fat metabolism using breath acetone concentration
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18K19763
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
後藤 一成 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (60508258)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 呼気中アセトン濃度 / 筋グリコーゲン / 脂質代謝 / 糖代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
高強度運動は筋グリコーゲン量を大きく低下させ、運動後における炭水化物の摂取制限は筋グリコーゲン量の回復を遅延させることが知られている。平成30年度は、高強度運動後に摂取する食事における炭水化物摂取量の相違が呼気中アセトン濃度の推移に及ぼす影響を検討した。成人男性9名が夕方(16時半)から筋グリコーゲン量の減少を目的として、高強度運動(30秒間全力ペダリングを4セット、セット間には10分の休息)を実施した。その後の夕食において、低炭水化物食(炭水化物20%、タンパク質20%、脂肪60%)または通常食(炭水化物60%、タンパク質20%、脂肪60%)からなる食事を提供した(両条件食における総カロリーは統一した)。運動前、運動1, 3, 4時間後および翌朝に呼気中アセトン濃度、血清ケトン体濃度および安静時のエネルギー代謝量を検討した。その結果、運動4時間後における呼気中アセトン濃度は低炭水化物食条件が通常食条件に比較して有意に高値を示した(p < 0.05)。一方で、運動翌朝における呼気中アセトン濃度は低炭水化物食条件が高値を示したが、条件間での有意差は認められなかった。運動翌朝において、エネルギー消費量に対する脂肪の貢献度(%fat contribution)は低炭水化物食条件が通常食条件に比較して有意に高値を示した(p < 0.05)。さらに、血清総ケトン体濃度は、低炭水化物食条件が通常食条件に比較して有意に高値を示した(p < 0.05)。以上の結果から、筋グリコーゲンを消費する高強度運動後における炭水化物摂取の制限は、特に運動後初期(運動後4時間)において呼気中アセトン濃度を上昇させることが明らかになった。このことから、高強度運動後における呼気中アセトン濃度の推移は炭水化物の利用能(carbohydrate availability)を反映すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
運動後における呼気中アセトン濃度の推移に関わる複数の実験を遂行し、データを収集することができている。そのため、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、運動後における呼気中アセトン濃度の推移を筋グリコーゲン量の変化と関連づけて検討する予定である。この際には、運動後に呼気中アセトン濃度は上昇するが、このことは筋グリコーゲン量の低下と関連するという仮説を設ける。
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Causes of Carryover |
平成30年度に実施を予定していた研究課題の一部を、研究参加者の募集の点から次年度に実施することになったために残額が生じた。残額分は、当該研究課題を令和元年度に実施する際に全額使用する。
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Research Products
(6 results)