2018 Fiscal Year Research-status Report
知覚的エントロピー劣化によってストリームデータの圧縮率の制御は可能か?
Project/Area Number |
18K19773
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山際 伸一 筑波大学, システム情報系, 准教授 (10574725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 耕一 筑波大学, システム情報系, 教授 (30175145)
坂本 比呂志 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (50315123)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | データ圧縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、(1)マルチメディアデータを劣化させることでデータのエントロピーを低下させる技術の調査、(2)エントロピー劣化の試作と評価、(3)ストリームデータ圧縮技術との組合せでの圧縮率とデータ品質の評価を行った。(1)に関しては、DPMを中心に、エントロピーを劣化させる技法について調査を行った。DPCMは差分の桁数が表現できる桁数を超えてしまうとノイズとなり、大きくデータの劣化を招いてしまい、マルチメディアデータでのノイズとなり得る。しかし、適応的にDPCM (Differencial PCM)を行うAPDCM (Adaptive Differencial PCM)を用いる事で解決できることを確認した。ADPCMはストリームでの処理が可能なアルゴリズムである。ADPCMはなが歴史があるが、それをエントロピーを劣化させるという観点で利用する先行研究が無かったため、(2)の試作を行い、パラメータの調整を行って、画像を対象に実験を行った。これにより、エントロピーの劣化を確認できた。その成果を元に、(3)のストリームデータ圧縮技術と組合せ、圧縮率を視覚的には認識できないような劣化を施しながら、低遅延に高い圧縮率を実現できることを確認した。目標の圧縮率に到達するように制御する部分を解明することで、この圧縮率制御が可能になる。音声についても同様の実験を施したところ、同様に知覚的には認識できないエントロピー劣化を実現できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた技術調査に関して順調に進み、技術的な施策を元に現象の観察が出来ているため、現在のところおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られたエントロピー劣化技法に対し、圧縮目標をシステムに入力することで、自由に圧縮率を制御できる機構の開発に取り組む。この開発に至っては、圧縮率をエントロピー劣化部分にフィードバックすることで、その劣化具合を制御するものになるが、どのようなタイミングで、どのような情報をフィードバックするべきかを実験を元に検証し、知覚的に原データに近いデータ品質を維持できる方法を探ることになり、パラメタを複数組合せ、正しいと思われる方法を模索していく。
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Causes of Carryover |
知財化が遅れ、計画していた国際会議への参加を見送ったため。 次年度での国際会議での論文発表を計画している。
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