2020 Fiscal Year Research-status Report
環境変化に頑健で運転の安全と高度化に貢献する走査制御型可視光・車々間通信の実現
Project/Area Number |
18K19774
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
海老原 格 筑波大学, システム情報系, 准教授 (80581602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 孝一 筑波大学, システム情報系, 教授 (50241790)
若槻 尚斗 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40294433)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 可視光通信 / MEMSミラー / イメージセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
情報を灯火の高速変調によって送信し,カメラで受信する可視光通信は,先行車両との選択的通信を利用した事故防止や隊列走行の実現に最適な技術の一つである.本研究は,カメラ単体であった受信機に,高速な光走査デバイス「MEMSミラー」を初めて導入することで,環境変化,通信距離,速度の確保,小型化の四課題を同時に克服する新しい可視光通信システムを創成し,運転の安全と高度化のシームレスな実現に対する突破口を構築することを目的としている. 2020年度は,構築した「ミラー・カメラ複合受信機」を用いて,可視光通信実験を繰り返した.2019年度に,イメージセンサで外光干渉の発生状況を取得し,信号と外光の干渉を排除できるよう,ミラーの最適な軌道を選択する仕組みを構築したが,外光干渉の発生検知から最適軌道の選択にタイムラグが発生することが明らかになったため,外光干渉の発生状況を取得しなくても環境の変化を克服可能な,新しいミラー制御方式(円走査方式)を検討した.予備実験によって,新しいミラー制御方式が機能することは確認出来たため,2021年度は,実験を繰り返すことで,通信システムとしての完成度を高めていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,構築した「ミラー・カメラ複合受信機」を用いて,可視光通信実験を繰り返した.また,環境の変化を克服するための,新しいミラー走査制御方式(外光干渉の発生状況を取得しなくても環境の変化を克服可能な,ミラー制御方式)を構築することが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
事故防止や隊列走行を指向した車々間・可視光通信を実現するためには,環境の変化を克服するためのミラー走査制御方式の,更なる高速化が必要であったが,信号と外光の干渉がそもそも発生しないミラー制御方式の確立に至ることが出来た.そこで,2021年度は,実験を繰り返すことで,通信システムとしての完成度を高めていく.
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Causes of Carryover |
2020年度は,前年度に構築した「ミラー・カメラ複合受信機」で明らかになった欠点を克服するためのミラー走査制御方式を構築することが出来たため,当初の計画通りに進捗した.並行して,これまでの屋内実験に加え,屋外実験用のハードウェアの構築も計画していたが,新型コロナウイルスの感染拡大の影響で,屋外実験を実施することがどうしても出来なかった.このように,研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行した結果,当初の見込み額と執行額が異なり,次年度使用額が生じた,研究計画に大きな変更はなく,前年度の研究費も活用し,実証実験の実施など,当初予定通りの計画を進めていく.
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Research Products
(3 results)