2020 Fiscal Year Research-status Report
超微細ナノカーボン・プロセッサのアーキテクチャに関する研究
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18K19778
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
三輪 忍 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (90402940)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | プロセッサ / アーキテクチャ / CNFET |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度はCNFET (Carbon Nanotube Field Effect Transistor) プロセッサの評価基盤の開発を行った.具体的には,シリコンプロセッサのアーキテクチャレベルの電力・性能評価ツールであるMcPATの改良方法を検討した.McPATの内部ではSRAMとそれ以外の回路で電力・面積の見積もり方法が異なることから,それぞれの回路の見積もり方法の修正方針を決定した.なお,方針の検討にあたっては,McPATの内部構造に詳しい東京大学の塩谷良太准教授に協力していただいた.
以下,具体的な方針を説明する.まずSRAMは,McPATが内部でCACTIを用いて電力・面積の見積もりを行っていることから,CACTIの内部で使用されているテクノロジーパラメータを修正することでCNFETのSRAMの電力・面積見積もりを行うことにした.テクノロジーパラメータの修正にあたっては,15nm PTMのシリコントランジスタの見積もりができるようにCACTIを修正した先行研究が存在したため,これを参考に行うことにした.先行研究の著者に連絡を取ったところ,実験資料を頂くことができたため,この資料をもとに修正作業に着手した.
また,SRAM以外の回路は,HDL記述されたオープンソースのプロセッサをCNFETのスタンダードセルライブラリを用いて論理合成し,そのシミュレーション結果をもとに電力・面積のスケーリングモデルを作成することにした.CNFETのスタンダードセルライブラリは,2020年度内に外注により作成した.納品されたスタンダードセルライブラリによって2つのプロセッサ(OpenSPARC T2とRSD)が論理合成できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
外注したCNFETのスタンダードセルライブラリの納品時期が2020年3月末であったため,上記ライブラリを使用した実験を2020年度中に行うことができなかった.また,CACTIの改良に関しては,実装を担当する予定だった学部4年生が2020年度中の卒業を諦めたため,2020年度中に実装に取り掛かることができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長し,2021年度中にCNFETプロセッサ評価基盤の開発を完了させる予定である.CNFETスタンダードセルライブラリが使用可能になったため,今後はSRAM以外のプロセッサ内のユニットをCNFETで実装した場合の電力・面積を求め,各ユニットの電力・面積モデルを作成していく.また,CACTIの修正については,2021年度に新たに研究室配属された4年生と協力しながら作業を進める予定である.
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Causes of Carryover |
外注したCNFETスタンダードセルライブラリの納品が2020年度末で実験に使用できなかったため,研究期間の延長を行った.2021年度に上記ライブラリを使用した実験を行い,学会発表する予定であり,そのための費用を次年度に繰り越した.
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