2019 Fiscal Year Annual Research Report
Pioneering Acoustic Security Research
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18K19789
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
森 達哉 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60708551)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 音声 / セキュリティ / IoT / プライバシー |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は音声セキュリティに関する2つの研究テーマに取り組んだ。1つは音声アシスタントシステムへのコマンドインジェクション攻撃であり、指向性スピーカを用いることで、秘密裏にコマンドを入力する方法。および、その対策技術について研究を進めた。もう1つは音声アシスタントシステム上で動作するアプリ(以下、VAアプリ)に着目し、VAアプリを収集、どのような対話を目的としているか、どのような個人情報を収集しているかといった点について明らかにした。1つ目のテーマは、IEEE Transactions on Emerging Topics in Computing にて発表し、同論文は IEEE Spectrum 誌でフィーチャーされた。2つ目のテーマは ACM Conference on Computer and Communications Security (CCS 2019) でポスター発表を行い(査読あり)、また国内では情報処理学会、コンピュータセキュリティシンポジウムにて、最優秀論文賞を受賞した。 前者の研究テーマは、より広くアナログ信号を扱うサイバーフィジカルシステム、およびIoT機器の入出力にかかわる研究テーマの創出につながった。 後者の研究テーマは、ユーザからは見えない、音声アシスタントシステムの裏側のロジックであるVAアプリに着目した研究で、ユーザから見える音声インタフェースの背後にある、クラウド側で動作するサービスに内在するセキュリティにかかる、新たな研究テーマの創出につながった。 本研究課題は「音声セキュリティ研究の開拓」ということで、音声を使ったシステムにかかる新たなセキュリティ脅威の同定と、その対策方法を開発するためのフレームワークづくりが大きな目標であったが、その目標は十分に達成できたと考えられる。
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