2019 Fiscal Year Research-status Report
Ear Authentication System Using Smartphone
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18K19791
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| Research Institution | Kansai University |
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Principal Investigator |
梶川 嘉延 関西大学, システム理工学部, 教授 (30268312)
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| Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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| Keywords | 耳認証 / 個人認証 / バイオメトリクス認証 / 機械学習 / スマートホン / 耳介伝達関数 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではスマートホンなどに搭載したマイクロスピーカとマイクロホンにより耳形状の個人差に起因する反射音の違いから個人認証を行うシステムの構築に向けて研究を進めている．耳形状は個人差が大きく，カメラ画像から認証を行う研究はすでに広く行われている．また，挿入型イヤホンを利用して外耳道の個人差を利用した音による認証システムについても検討が行わている．しかしながら，スマートホンを利用して耳の個人差による音を利用した個人認証においては，スマートホンを耳にあてる際の揺らぎが大きいため，計測される音響データ（耳介伝達関数）は測定ごとに大きなゆらぎが生じ，そのゆらぎは場合によっては個人差以上となる．そこで，今年度はその計測ゆらぎに対応するためにスマートホンに搭載されている加速度センサおよび距離センサを利用することで，耳に対する相対位置を把握することで，音による認証制度の向上を目指して研究を行った．結果としては，これらの位置情報を利用することで認証制度を大幅に改善することができ，計測ゆらぎの影響を緩和することに成功した．具体的な構成方法としては，１段目として，加速度センサおよび位置センサの情報に基づき，スマートホンの相対位置を機械学習により認識し，その相対位置情報に基づき２段目に設定された識別器に収録された耳介伝達関数（音データ）を入力して，個人認証を行う形式を採用した．２段構成にすることで，識別器は複数必要になるものの学習に必要なデータを分散化し，学習時間の短縮も図ることが可能となった．また，認証精度は音データのみの場合に比べて，認証率を最大で５％以上改善することができた．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度はスマートホンの耳に対する相対位置の情報を得るために，距離センサと加速度センサを利用する方法について検討を行った．具体的にはさまざまな方向・角度にスマートホンを耳に対して設置し，その時の位置情報データと耳に対する音データのセットを多数計測を行った．そしてそれらのデータセットを利用して，マルチモーダル認証のための機械学習手法を複数の組み合わせで実施を行い，結果として相対位置ごとに認証のための識別器を個別に設計することで，従来とくらべてかなり認証率を改善できることを実証することができた．これらの成果は当初の計画よりもかなり進んでおり，大きな成果が得られたと考えている．この成果は特許に申請済みであり，2020年度に開催される国内および国外学会で発表を予定している．
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究において加速度センサおよび位置センサの情報を加えたマルチモーダル認証により，認証精度を大幅に改善することに成功した．しかしながら，マルチモーダル認証の構成方法にはさまざまな形式が考えられるため，より精度向上に寄与する構成方法を多角的に検討する必要がある．例えば，相対位置情報ごとに識別器を個別設計する方法もあれば，相対位置情報と音データを統合してひとつの識別器を作る方法も考えられる．これらの組み合わせ方法には多くの選択肢があるため，まずは最適な統合方法について検討を行いたいと考えている．また，機械学習のためには多数のデータが必要となるが，実測データを多く揃えることには自ずと限界があるため，３次元CADと音響数値解析手法を統合した方法の開発を行うことが必要である．そのために，実測データを忠実に再現できる音響数値解析手法の確立を目指す必要がある．
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| Causes of Carryover |
COVID-19のため，学会出張のキャンセルならびに当該研究プロジェクトのために招聘予定であった海外の研究者の来日がキャンセルとなったため，次年度の使用額が生じた．次年度もCOVID-19の影響が継続されると考えられるため，数値解析に必要なソフトの購入や耳模型を作るための3Dプリンターの購入に充当したいと考えている．
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