2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K19797
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
矢野 博明 筑波大学, システム情報系, 教授 (80312825)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
|
Keywords | バーチャルリアリティ / 空中力覚提示 / 非接触力覚提示 / 空気噴流 |
Outline of Annual Research Achievements |
2つの空気ノズルを向かい合わせに配置して直線上の任意の点での力覚提示を実現した。具体的には2つの圧縮空気のノズルを向かい合わせに設置し、電磁弁を用いて各ノズルから出る空気の流量を制御する装置を開発した。指の形をした模型をリニアスライダを用いて提示領域内を移動させて、模型表面に加わる圧力を圧力センサによって計測し、ノズルと指先の相対位置及び空気流量の関係を求め、対応テーブルを作成した。これを元にレーザーレンジファインダを用いて指先位置を計測し、ノズルからの指の距離に応じて流量を制御して指先に加わる力を制御するプログラムを作成した。なお、指腹と指の爪側で力の閾値が異なることから、爪側の空気流量を変化させ、それに応じた指腹側の力の閾値を計測する実験を行い、指先位置を維持しつつ、指腹に力を提示できる範囲を調べた。その結果、爪側の流量による知覚の差はほとんどないことがわかった。これにより、指腹側に加える提示力を大きくした時に爪側の流量も大きくすることで指先位置を安定させつつ、任意の力を提示できる可能性が示唆された。さらに提示領域内にバーチャルな壁を設定し、指先が壁に触れた時に指腹にめり込み量に応じた反力を提示する環境を構築し、バーチャルな壁の位置を認識させる被験者実験を行なった。比較対象は片側だけ噴流を提示する場合と提案手法である両側噴流提示の2種類で、片側噴流に比べて壁位置の誤差が少ないこと、壁に触れた後も安定してその位置が保たれることが確認できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
両側噴流提示によって一次元での空中非接触力覚提示が可能であり、従来手法よりも安定かつ正確な力覚提示が可能であることを示唆する結果が得られたことから、研究は概ね順調と言える。ただし、現状の提示反力は0.5 N程度と強いとは言えない。提示反力の上限を上げることでより表現力を高めることが必要と言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き最大提示反力の拡大に努めるとともに、2次元、3次元への拡張を進めていく。なお、爪側の力の閾値がかなり大きいことがわかったことから、自由度拡張の際に主に爪を狙った保持力提示に配慮した力覚レンダリングアルゴリズムの開発を進めていく。
|
Causes of Carryover |
迅速な開発のために空気噴流発生装置を市販品を組み合わせて開発したため、当初よりも開発費が下がったが、次年度に性能アップおよび多自由度化装置開発に使用する。
|