2019 Fiscal Year Research-status Report
確率的状態遷移を含むハイブリッド制御による人型ロボットの統一的制御理論の構築
Project/Area Number |
18K19802
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 江 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (20641880)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 人型ロボット / ハイブリッドシステム / 力制御 / 油圧アクチュエータ |
Outline of Annual Research Achievements |
二足歩行のハイブリッド制御による制御理論の構築と実際のヒューマノイドロボットを用いた実証実験による検証を目指し、本年度は以下の項目について研究を行った。 1.従来の二足歩行制御において足の踏みかえに伴う離散的な状態遷移を含む制御と簡略化モデルで安定化可能領域を計算する手法を開発した。安定化可能領域を応用して、制御パラメータを適応的に変化させる制御法や、踏み替えによる転倒防止制御を全身動力学シミュレーションで検証した。 2.着地時に働く衝撃力に関して、確率的な不確かさを考慮したモデル予測制御を二足歩行制御へ適用し、簡略化モデルに基づくシミュレーションにより検証した。 3.傾斜面の歩行において、傾斜角についての事前知識なしでそれをリアルタイムに推定しながら歩行する制御法の基礎的な検討およびシミュレーション、実機実験による検証を行った。 また、昨年に引き続きヒューマノイドの簡略化モデルと全身詳細モデルの間の粘弾性最適化計算アルゴリズムについて、新しい手法の開発と実験検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. 簡略化モデルで計算した転倒予測判定を用い、全身モデルにおいて転倒の可能性を一定の割合で判定することを確認した。また、いくつかの条件で転倒防止制御の有効性が示された。一方で、簡略化モデルと全身モデルの違いから、安定化可能領域に基づく転倒予測判定に誤差が生じる点が課題である。 2. 簡略化モデルを用いた基礎的な検証を完了した。一方で、着地時の衝撃についてどのような確率分布に従うかについて、全身モデルによる検証も必要である。 3. 傾斜面での歩行について、基礎的な実験検証を行い、有効性を示した。一方で、関節トルクの不足等の課題が見つかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.簡略化モデルと全身モデルでの転倒予測精度の違いについて、引き続き検討する。 2.簡略化モデルについてのシミュレーションだけでなく全身動力学においても検証する。 3.関節トルクの不足等の課題について、脚機構を改良するなど、ロボットのハードウェアの改良を検討する。
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Causes of Carryover |
当初は二足歩行における確率的状態遷移を考慮した制御法のアルゴリズムの開発に注力していたが、実験検証を行う過程で既存のヒューマノイドロボットについて関節トルクの不足に関する課題が見つかった。この課題を十分に検討し、解決方法を絞り込んだ上でロボットのハードウェアの改良を行うことが合理的であると考え、必要な経費については次年度に使用することとした。
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Research Products
(9 results)