2019 Fiscal Year Research-status Report
人間身体拡張を実現する脳・筋情報インターフェースに向けた運動意図の事前予測
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18K19807
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
南部 功夫 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (40553235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 安弘 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (70293248)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 脳波 / BCI / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続き脳波(EEG)を用いた運動予測について2つの実験を実施した。最初に、8方向の反応到達運動実験を実施した。被験者にはターゲット方向を提示後にすぐに運動を開始するよう指示を行い、到達すべきターゲット方向が提示されてから運動するまでの準備時(運動前)の脳活動から運動方向を予測できるかを検討した。複数の異なる周波数帯ごとのデータを分割し、それぞれに対してDiscriminant Power (DP)を用いた特徴量抽出を行った後、線形判別分析により方向の分類ができるかを検討した。その結果、低い周波数帯(1-4Hz, もしくは0.1-4Hz)のデータにおいてチャンスレベルよりも有意差が確認された。これにより、反応課題においても運動方向が事前脳波から予測できる可能性が示唆された。 また、到達運動における運動前の作業記憶(Working memory)が予測できるかを検討する実験を実施した。被験者は2つの運動方向を指示され、運動開始とともに2つの運動を順番に連続して行う系列運動課題を行った。その時の脳波データを計測し、運動前の作業記憶保持期間から運動方向の予測を行った。データ解析にはアーチファクト除去の後、畳み込みニューラルネットワークを用いて予測できるかを確認した。その結果、チャンスレベルよりも有意な判別精度が得られた。この結果から、運動前の作業記憶を予測できる可能性を示唆した。ただし、その精度は十分ではないことから、今後も更なる検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳波を用いた運動予測については予測の可能性を示唆する研究成果を得ることができた。ただし、その精度は十分ではなく、ニューラルネットワークなどの手法を用いた検討が必要である。また、筋活動を用いた操作や運動実行と運動想起の同時実行についても、実験条件などの検討を進めているが本年度までは成果は得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでと同様に運動前の事前脳活動(EEG)からの予測を実施するとともに、運動実行と運動想起の同時遂行の検討や、筋活動を用いた外部機器の操作に関する検討を実施し、生体情報に基づく身体拡張の可能性を検討する。
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Causes of Carryover |
本年度は脳波計や計算機の購入、国際学会への参加、被験者や補助者の謝金等への支出を考えていたが、実験数が少なく、これらの支出を行う必要がなかったことや、補助者が不在であったことが原因となり次年度使用額が生じた。次年度は、実験数を増やし、計算機の購入や補助者の雇用により研究を更に推進する予定である。ただし、学会関連の旅費は減額の見込みであり、その代わりに英語論文の投稿や英文校正のための費用に活用する予定である。
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Research Products
(8 results)