2018 Fiscal Year Research-status Report
光計測と信号処理の融合による次世代アクティブ計測技術の開発
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18K19822
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
田中 賢一郎 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (60803244)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | コンピューテーショナルフォトグラフィ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,無線通信等で実用化されている高度な信号処理技術と,プロジェクタ・カメラシステム等を用いたアクティブ光計測技術を融合した,次世代のアクティブ光計測の技術を開発することである. 本年度は,無線通信技術の1要素である,ホモダイン検波・ヘテロダイン検波の考え方を,アクティブ光計測に取り入れた,あたらしい光計測手法を開発した.具体的には,プロジェクタとカメラの焦点距離を変えることにより,シーンの奥行に応じて投影パターンの空間周波数が変化することに着目し,シーン中の周波数を検出することで,シーンの奥行情報を取得する手法を開発した.この手法は,従来問題となっていた,外乱成分による計測の破綻,計測制度と必要となる投影枚数のトレードオフ,プロジェクタ・カメラシステムの精密なアライメントの必要性など,複数の問題を解決する糸口となることが見込まれており,今後の発展が期待される. また,本手法は,シーン中の奥行の計測だけではなく,半透明物体の内部の可視化に応用することができる.特定の奥行に対応した空間周波数の信号の強度を取り出すことで,その奥行から反射してくる光の成分のみをイメージングすることが可能であり,半透明物体の内部可視化手法として用いることができる.実際に,半透明物体の特定の層のみを可視化することができることを,シミュレーション及び実環境実験で確認した.本研究成果は,査読付き国際会議にも採択され,学術的意義が評価された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進展しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進展している研究サイクルを途切れさせることのないよう,研究メンバーと緊密に連携を保ちつつ,積極的に研究を推進する.
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Causes of Carryover |
本年度は,すでに保有する機材を利用することで研究が実施できたため,次年度に予算をまとめ,高性能な機材の購入に充てることとしたため.
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