2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K19830
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村田 智 東北大学, 工学研究科, 教授 (10334533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川又 生吹 東北大学, 工学研究科, 助教 (30733977)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | DNA膜 / DNAモチーフ / 分子ロボティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,塩基配列をデザインして人工的に合成したDNA分子(膜モチーフ)により人工の膜面(DNA膜)を構成することである. 今年度は,DNAモチーフ間のループ・ループ相互作用を実現するための基礎ステップとして,硬い二本鎖ステムと柔らかい一本鎖ループを有するD字型モチーフを設計した.まず熱力学的シミュレーションに基づいて,配列長および塩基配列を決定した.実験的にその特性を調べるため,一本鎖部分の配列を共通として,ステム部の長さを3種類に変えたNormal, Relaxed, Stressed を合成した.これらのDNA鎖を混合し,アニーリングによりDモチーフを作製した.酵素反応(ライゲーション,エクソヌクレアーゼ,RCA)により,意図通りのモチーフが形成されていることを確認した.まず,DNA鎖の混合順序によりモチーフ同士が絡み合うものとそうでないものが作り分けられることがわかった. 電気泳動による相互作用の確認を行ったところ,モチーフ2量体のバンドがごく弱くあらわれただけで,それ以外の多量体形成は確認できなかった.これは,そもそも多量体形成ができていないか,あるいは,結合が弱いため,ゲルの中を泳動中に多量体が壊れたと考えられる.それを確認するため,ループ相互作用の融解温度を測定したが,やはり有意な温度変化は観測されなかった.最後に,モチーフ単体および複合体の粒子径の温度変化を測定したところ,3種のモチーフの粒子径に差はなく,結果として,多量体形成が確認できなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モチーフの設計および単体モチーフの形成は実験的に確認できたが,モチーフ間の相互作用が予想と異なり,かなり弱いため,意図した多量体の形成ができていない.
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Strategy for Future Research Activity |
モチーフ間相互作用する一本鎖部分の長さの延長,配列の工夫(GC含有量及び繰り返し配列を入れるなど),モチーフ濃度を上げる,バッファー塩濃度を上げるなどにより,より強い結合強度をもたせ,多量化させることを目指す.
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Causes of Carryover |
膜モチーフ実験のために,多種類のオリゴマーの合成を外部委託したが,一部のオリゴマーが年度内に納品されなかったため.このオリゴマーは,引き続き次年度の実験に用いる.
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Research Products
(6 results)