2020 Fiscal Year Research-status Report
A Presentation Robot for Reconstructing Lecture and Promoting Self-Review
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18K19836
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
柏原 昭博 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (10243263)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 学習支援システム / プレゼンテーションロボット / プレゼンテーション動作モデル / 代講 / セルフレビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
大学での講義・研究におけるプレゼンテーションを診断・再構成して、人型ロボットに代講させるシステムの開発・評価を目的に、昨年度開発したインタラクティブロボット講義システムおよびプレゼンテーションスキル向上支援システムに関する研究成果を公表するとともに、有効性を評価する実験を実施した。また、その結果に基づき、支援メカニズムの洗練を進めた。具体的には次に示す(1)・(2)を実施した。 (1)インタラクティブロボット講義の評価:被験者数を確保することが難しい中、インタラクティブロボット講義の有効性を評価する実験を実施した。その結果、講義内容の追従が困難な学習者に対して、ロボットが講義スライドの説明を休止する、繰り返す、または説明を中断して注意を与えるといったインタラクションが有効に機能し、講義後の理解度テストを向上させることを確認できた。一方、講義内容を追従できている学習者に対しては、ロボットによるインタラクションは講義理解に良い影響を与えないことも同時に確認できた。また、ロボットによるインタラクションのパターンが固定的で、人間講師に比べて柔軟性に欠けるといった欠点も明らかになった。 (2)スキル向上支援の評価:2体のロボットを用いて、学習者によるプレゼンテーションの再構成前後の非言語動作を比較させる実験を実施した。このシステムでは、2体のロボットによる動作の差異を顕在化するために、再構成した動作を誇張する方法を実現しており、この方法の有効性を評価した。実験の結果、差異を顕在化することで、学習者が非言語動作の不適切・不十分さに気づきやすくなり、自ら改善することを促進する傾向を確認できた。一方、誇張された動作に対して、学習者が自ら実施した動作であると認識しにくくなるという問題点も見出され、適度に差異が顕在化する程度に、動作を誇張する必要があることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ロボット講義およびスキル向上支援を実施するシステムの開発については、予定通り進めることができた。ロボット講義については、人間講師が実施するようなインタラクティブな講義を可能とすることができた。また、スキル向上支援については、学習者に自らのプレゼンテーション動作の改善点に効果的に気づかせること手法を構築することができた。 一方、システムの有効性評価については、コロナ禍の影響が大きく、被験者数の確保に時間がかかり,的確に有用性を判断できる結果を得るまでには至らなかった。また、評価実験結果を踏まえた研究成果の公表も遅延した。一方、それぞれのシステムで見出された問題点を精査し、支援メカニズムを洗練する方法を検討した。 以上を踏まえて、現在までの達成度を(3)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、システムの有効性評価実験に関して追加実験を試みるとともに、これまでに見出されたシステムの改善点を踏まえて支援メカニズムを洗練する。また、ロボット講義およびスキル向上支援の基盤となるプレゼンテーション動作モデルの妥当性を補強するために、大学での講義・研究に携わる教員を対象にアンケート調査を実施したいと考えている。これらの成果も含め、これまでの研究成果を学術論文としてまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響が大きく、開発したシステムの有効性を評価する実験が予定通り行えず、またそれに伴い成果公表が行えなかったことが理由である。次年度では、追加での評価実験を実施し、その結果を踏まえた支援システムの洗練を含む研究成果を国内外の関連学会で発表するとともに、学術論文としてまとめる予定である。
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Research Products
(13 results)