2018 Fiscal Year Research-status Report
上手に説得されることで人を楽しませるゲームAIの構築
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18K19843
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
稲葉 通将 広島市立大学, 情報科学研究科, 助教 (10636202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
狩野 芳伸 静岡大学, 情報学部, 准教授 (20506729)
大槻 恭士 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (00250952)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 人狼ゲーム / 対話システム / コミュニケーションゲーム |
Outline of Annual Research Achievements |
人狼ゲームは会話のみから相手の意図を理解し,背景を推理し,協調し,時には説得を試みるといった,我々の持つ極めて高度な知的能力を駆使して行うゲームであり, 今後,人工知能が社会に浸透するうえで大きな障壁であるコミュニケーションの課題を多分に含んでいる.本研究では,人狼ゲームの醍醐味の一つである「説得」に着目し,上手に説得されることにより,人を楽しませる人狼ゲームエージェントの実現を目指し,研究を実施している. 本研究で生まれる技術は,人工知能のより人間に近い社会性の獲得につながる.また,人が相手の立場に立って考え,コミュニケーションを行うための有効な方策や要素に関する新たな知見を生む.さらに,その知見は会話・異文化教育への応用も期待される 現在までに,被説得人狼ゲームエージェント実現のために必要なデータとして,人狼ゲームにおける説得対話の収集を実施し,100対話の収集を完了した.本説得対話は,人狼ゲームにおける特定の状況下で,説得するプレイヤと説得されるプレイヤの対話をクラウドソーシングにより作成した.なお,対話収集は今後も行っていく予定である. また,自然言語で発話されたプレイヤーの発言を意味表現に変換する発話意図理解モジュールの実装も完了した.本モジュールでは,述語項構造解析を行うことで得られた発話文の構造と事前に定義した意味表現セットとの間でマッチングを行うことにより,発話文の意図を獲得する.今後も本モジュールの改良は続けていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りにデータ収集,および発話意図理解モジュールの実装が完了しており,順調である.
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Strategy for Future Research Activity |
先に述べたように,説得対話のさらなる収集と発話意図理解モジュールの改良を続けるとともに,それらを組み合わせ,被説得対話モデルを構築する.本モデルでは,発話は収集したデータから抽出したものを用い,同じく対話データをもとに説得状況の管理を行う.
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Causes of Carryover |
時期的に発表できる適切な国際会議等がなく,出張回数が予定よりも少なくなったほか,物品に関しても納期の関係で次年度に持ち越したものがあった. 次年度は国際会議への投稿も予定しているほか,データ収集費用,計算機の購入などに使用する予定である.
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Research Products
(6 results)