2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of assessment methods for forest environments based on microbiomes
Project/Area Number |
18K19870
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 利博 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (30332571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平尾 聡秀 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 講師 (90598210)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 樹木 / 健全性 / 森林環境 / ナノポアシーケンサー / マイクロバイオーム |
Outline of Annual Research Achievements |
森林や緑地をグリーンインフラとして整備・活用するためには、樹木、ひいては森林等の健全性を評価する必要性がある。しかし、従来の手法では樹木診断にコストがかかるだけでなく、原因菌類や感染経路の特定が困難であった。そこで、本研究では、健全な森林と病害の発生した森林で土壌や樹木表面のマイクロバイオームの比較解析を行い、病害と関連した微生物叢の特徴を明らかにし、森林環境の評価手法を開発することを目的とする。また、リアルタイム解析のプロトコルを作成し、樹木保護の現場への普及を図ることで、環境評価手法の社会実装を目指す。 2021年度は、ナノポアシーケンサーMinIONによるリアルタイムシーケンスを用いた、微生物叢から樹木腐朽の診断を行うアプローチの実用化の検討に取り組んだ。これまでナノポアシーケンサーの課題とされていたシーケンスリードの精度の低さを改善する必要があることから、サワラ人工林の腐朽病害木材から抽出されたゲノムDNAを用いて、ナノポアシーケンサーによるアンプリコンシーケンス解析のプロトコルを再検討した。その結果、近年改良がおこなわれたR10.4フローセルとKit 12試薬、Bonitoベースコーラーを組み合わせてアンプリコンシーケンス解析を行うことにより、シーケンスリードの精度をQ20に近づけ、リアルタイムシーケンス解析で2019年度に実施したMiSeqによるシーケンス解析に近い結果が得られることを示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は、(1)ナノポアシーケンサーによるアンプリコンシーケンス解析の精度を向上させるプロトコルの検討を行うこと、(2)リアルタイムシーケンス解析を用いて微生物叢から樹木腐朽の診断を行うアプローチの実用化の検討を行うことを予定していた。前者のリアルタイムシーケンス解析の精度向上については、一定の進展が見られ、マイクロバイオームに基づく環境の健全性評価の技術を発展させることができた。一方、後者のリアルタイムシーケンス解析による腐朽診断のプロトコル化と実装については、新型コロナウイルス感染症による研究活動の大幅な制限によって、フィールドワークの実施や樹木保護にかかわる団体との交流が困難になり、進めることができなかった。森林のマイクロバイオームのリアルタイム解析による腐朽診断の実用化には、ワークフローの簡略化と現地での適用可能性の評価が必要であるため、2022年度の新型コロナウイルス感染症の収束後に取り組む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2021年度に引き続いて、ナノポアシーケンサーMinIONによるリアルタイムシーケンスを用いて微生物叢から樹木腐朽の診断を行うアプローチの実用化に向けた検討に取り組む。現地でのサンプル採取・シーケンスライブラリー調整・マイクロバイオーム分析に関するバイオインフォマティクス解析をプロトコルにまとめ、微生物叢から樹木腐朽の診断を行うアプローチを体系化する。これらはリアルタイムシーケンスを用いた樹木病害の現地診断手法として公表し、樹木保護の実務に使用してもらうことで、プロトコルをアップデートして技術の普及を進めていく。
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Causes of Carryover |
ナノポアシーケンサーを用いたリアルタイム解析による腐朽診断のプロトコル化と実装のために、フローセルとサンプル調整試薬が必要であり、それに対応して次年度にこれらを購入するために、次年度使用が生じた。
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