2020 Fiscal Year Research-status Report
亜酸化窒素を作動ガスとする極低環境負荷型多段ガスタービンシステム構築への挑戦
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18K19885
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
山本 洋司 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 教授 (50707453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 武史 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 特命教授 (50179719)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 環境負荷低減 / 亜酸化窒素 / 分解発熱 / ガスタービン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ガスタービンの作動ガスに亜酸化窒素(N2O)を用い,N2Oの分解発熱を利用して,燃料を使用しない或いは殆ど使用せずにガスタービンを駆動させる,極低負荷型N2Oガスタービンシステムの実現へ向けて挑戦するものである. 昨年度までの研究で,N2Oは分解しにくいことを確認しているので,ガスタービンの起動時に僅かに燃料を添加することも視野にいれている.そこでメタン(CH4)やジメチルエーテル(DME)を燃料,N2Oを酸化剤として密閉容器内で火花点火による希薄側の可燃限界測定を行なった.どちらの燃料とも酸化剤に空気を用いた場合に比べ大きく下限可燃限界が広がった.排出ガス中の二酸化炭素容積割合はDMEの方が多いが,CH4の場合,下限可燃限界付近ではどちらの酸化剤とも不完全燃焼となる傾向が見られた.N2Oが酸化剤の場合,空気の場合に比べ排出ガス中の窒素酸化物量が多いが,自動車用の三元触媒を用いることでほとんど分解されることを確認した. 流動中でN2Oを分解させるため,流路にグロープラグを配置した実験装置を製作し,実験を行なった.本実験装置では完全に分解することができなかったため,流路形状や断熱構造等を変更した実験装置を製作中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウィルス流行により2020年2月から7月までほとんど実験が行えず,流動中における亜酸化窒素の分解実験は,装置を作成して予備実験までは進んだが,当初予定していたガスタービンへの適用研究は手付かずとなった. また,学会中止や実験装置メーカーへの出張中止により,発表や意見交換ができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
流動中のN2Oの完全分解を目指す.密閉容器での自己分解実験結果と反応メカニズムによる数値解析の組み合わせによるデータを参考にし,熱源のグロープラグの配置,流路,断熱構造の変更を行う.また,実験装置の触媒コーティングの検討も行う.完全分解の手法を確立後,ガスタービン装置へ反映させる.
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Causes of Carryover |
当初予定していたガスタービン試験に伴う測定器や試験装置改造のために計上していたが,コロナウィルス関係により実験を行うことができず,亜酸化窒素ボンベ等の消耗品のみの購入となったため.また,学会や打ち合わせが中止となり,旅費やその他の経費の使用がなかった. 物品費はガスタービン実験に向けた装置改造費や計測器購入費に,人件費・謝金は論文校閲料に,旅費やその他では学会や打ち合わせのための出張費や参加費に使用する.
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