2019 Fiscal Year Annual Research Report
novel cancer treatment by highly permeable small-sized siRNA-loaded lipid nanoparticles
Project/Area Number |
18K19889
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 悠介 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (10735624)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 脂質ナノ粒子 / 粒径制御 / 核酸送達 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに構築したpH感受性カチオン性脂質CL15H6と卵黄由来スフィンゴミエリン(ESM)から構成される直径23 nm程度のsiRNA搭載脂質ナノ粒子(LNP)の特性解析を行った。前年度において、pH感受性カチオン性脂質の足場の長さが高い遺伝子ノックダウン活性に重要であった結果を受け、複数のリン脂質を検討し、その化学構造の条件を探索した。その結果、炭素数18以下の足場構造を有するリン脂質はいずれも高い活性を示した一方で、炭素数24などの長鎖脂肪酸を一部含むリン脂質を用いた場合は活性が著しく減少した。以上より、pH感受性カチオン性脂質とリン脂質の足場の長さの違いが高い遺伝子ノックダウン活性に重要であることが示唆された。足場の長さが異なる脂質は混和性が低いことが知られていることから、この点に着目して解析を行った。まず、pH感受性脂質、中性リン脂質、アニオン性リン脂質を当量含む脂質懸濁液を用いて31P NMR法による脂質多形解析を行った結果、従来の炭素数18の足場を有するpH感受性カチオン性脂質は昇温に伴ってラメラ相から逆ヘキサゴナル相へと転移するのに対し、足場の長いCL4H6では等方性のシグナルが得られた。X線小角散乱法により同一サンプルを測定した結果、ラメラ相と逆ヘキサゴナル相の混合相であることが明らかとなった。即ち、CL4H6はアニオン性リン脂質とイオン対を形成して逆ヘキサゴナル相へ転移する際に、中性リン脂質が隔離されて単独でラメラ相を形成したと考えられた。以上より、pH感受性カチオン性脂質の足場構造が極小粒子径と高い核酸送達効率を両立する上で重要な役割を果たしていることが示され、本知見は新たな核酸搭載脂質ナノ粒子開発の指針になると考えられる。
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Research Products
(5 results)