2020 Fiscal Year Research-status Report
Research and development of dielectric detectors for noninvasive sensing of skin diseases
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18K19890
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中川 公一 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (00244393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
皆川 智子 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (20436033)
澤村 大輔 弘前大学, 医学研究科, 教授 (60196334)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 皮膚疾患 / 生体計測 / 生体情報 / 電子スピン共鳴 / イメージング / 皮膚科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
電子常磁性共鳴(EPR)あるいは電子スピン共鳴(ESR)法を用いた皮膚疾患のイメージングに取り組み、コントロールと比較したEPR信号とEPR画像による皮膚疾患の部位の特定や角層構造の異常などの詳細な試料の評価を行った。また、皮膚関連への応用研究にも取り組んだ。新しい表面検出器などの皮膚角層に関する開拓的研究開発は、生体系の非侵襲計測に大きく貢献することができた。 ESR/EPRイメージング装置は、市販のX-バンド(9 GHz) EPR装置をイメージング計測可能な装置に改良した。データは、特注のソフトウェアパッケージを用いデータ取り込みと画像処理を行った。EPRスペクトルを数値的に二回積分して、対応する吸収スペクトルとした。再構成の前に、各投影は、測定されたゼロ勾配スペクトルを用いてデコンボリューションすることで、得られる画像解像度を改善することができた。測定用試料は、大学の倫理委員会の承認を得て、共同研究者から提供された。 これまでのスペクトル解析から試料の黒化度とEPR信号強度との間に相関性が、示唆された。このため試料の光透過度を新たに測定し、信号強度との精密な相関性を統計解析した。その結果、EPRの信号強度と試料の黒化度との間に良い相関性が認められた。従って、新たに試料の黒化度が増すにつれて、EPR信号強度が増すことが検証された。ただ、メラノーマの病期が進行したものは、そのような相関性が認められなかった。これはメラノーマ特有の現象であると推測された。このような新たな結果は、国際学術誌に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電子常磁性共鳴の皮膚計測と画像関連の研究テーマでの主な理由は、以下の通りである。 ・研究計画を達成する模擬試料やバイオメディカル試料の画像解析を行うことができた。 ・メラノーマなどのスペクトル解析と新たな光透過度の測定を行い、試料の黒化度とEPR信号の良い相関性があることを見出した。 ・2020年度に得られた新たな結果は、皮膚科学関連の国際的なジャーナルに受理されている。 以上のことがらから、学会発表を除き順調な進展と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
電子常磁性共鳴(EPR)による皮膚の応用計測と新たな誘電体検出器を用いた試料の画像化でおおよその目標は達成しつつあるが、さらに、様々な試料のイメージング測定などの実験を行うと共に解析精度の向上を目指す。具体的な研究方針としては、 (1) イメージング(画像)の解析精度の向上に取り組む。 (2) データの画像化の技術と画像の改善を上げるよう試みる。 (3) これまでのデータの統計処理を行い、結果の精度を高める。 従って、これまでの結果を踏まえ、さらに試料のスペクトル解析と画像化を推し進める。また、EPRイメージングの応用分野を広めるよう更なる検討を行う。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大に伴い、各種学会がWeb開催になったため。 可能な限り学会発表し、研究者と研究打ち合わせを行い、助成金を使用するように努める計画である。
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