2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of doppler optical coherence tomography imaging for analysis follicular development in ovarian tissue
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18K19898
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
阿部 宏之 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (10375199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 裕輝 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (00333328)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 光干渉断層撮影 / 卵巣 / 卵母細胞 / 発生 / 生殖医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光干渉断層画像化法(オプティカル・コヒーレント・トモグラフィ:OCT)を基盤とするドップラーOCT技術を確立し、卵巣組織内に存在する卵胞および卵子を無侵襲的に画像撮影できる高感度計測OCTシステムの開発を目的とした。 2019年度は、前年度までに開発したドップラーOCTシステムの適用対象を拡大し、その有用性を検証した。具体的には、従来のOCTシステムに高速ラインカメラとGPU(Graphic Processing Unit)を導入し、画像データの取得が格段に向上したOCTシステム用いて、マウスの卵巣と比べて光透過性が低いウシの卵巣における卵胞のイメージングを行った。その結果、胞状卵胞と前胞状卵胞のイメージングに成功するとともに、卵巣の一部で光散乱を示す高輝度信号が検出できることができた。散乱光のドップラー効果を利用して解析した結果、この高輝度部分は直径50-100 um程度の卵胞様構造であることがわかった。OCT観察したウシ卵巣を固定し定法に従い組織学的観察を行った結果、ドップラーOCTでイメージングできた構造は卵巣組織表層に存在する卵胞中にある卵母細胞である可能性が示された。さらに詳細な解析を行った結果、固定した卵巣では全く高輝度信号が検出されなかったことから、ドップラーOCTでイメージングされる高輝度信号は卵母細胞の生物活動によって生じる何らかの変化を捉えている可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスおよびウシの卵巣内に存在する卵胞を検出できるドップラーOCT技術を確立することができた。このドップラーOCT技術は、従来のOCTシステムでは検出できなかった卵母細胞の高精度画像化を可能とする技術として期待できる。特に、光透過性が低いウシ卵巣で卵胞および卵子が検出できたことは、本システムの適用対象拡大の可能性を示している。本研究は、当初の計画通り順調に進んでいると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
ウシの卵巣を材料に、ドップラーOCTにより検出できる卵子細胞質の光散乱の検出と定量化を試みる。ドップラーOCTにより観察した卵子の品質と光散乱現象の関係を調べるとともに、長期保存したウシ卵巣において卵胞と卵子の局在を組織学的に解析し、OCTによる卵巣内卵子品質評価の有効性を検証する。
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Causes of Carryover |
マウス等の実験動物の購入費および飼料購入費、OCT計測に必要なレンズ等の部材が予定より少なかったため、また研究期間の延長により次年度への繰越が生じた。2020年度は、マウスを用いた実験に加え、ウシ卵巣を用いた実験が増える見込みである。そのため、マウス等の実験動物の購入費に加え、ウシ卵巣の採材費用、組織学的解析を行うための試薬等、OCT計測に必要なレンズおよびアンプ等の部材の購入費用の増加が予想される。繰り越し分はこれら物品の購入に充てる。
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Research Products
(18 results)