2019 Fiscal Year Research-status Report
Mechano- and chem-gradient gel for novel scaffold using in tissue repair
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18K19907
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中路 正 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (10543217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 和明 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (00432328)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | ハイドロゲル / 傾斜階層構造 / メカノバイオロジー / 間葉系幹細胞 / キメラタンパク質 / メカノ・ケミグラジエントゲル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,高分子を用いた力学的傾斜構造を持つグラジエントゲル「メカノグラジエントゲルの創製」(前年度の継続)と「ミクロ構造およびマクロ構造での細胞挙動の評価」に関する研究を進めてきた。 高分子による傾斜構造ができることを明らかにするとともに,高分子を用いて骨髄間葉系幹細胞の選択的接着および誘導が行える材料開発に成功し,この点に関する論文の投稿を行った(現在査読審査中)。また,高分子材料の力学的な評価を実施してきており,ミクロおよびマクロ硬度と細胞挙動の関係について少しずつ理解を深めているところである。 また,次年度から行う予定の,ケミグラジエントゲルへの拡張に向けて,間葉系幹細胞から軟骨組織への分化を担うタンパク質やペプチドのスクリーニングおよび,高分子に担持させるためのキメラ化を順次進めてきた。現在のところ合成したキメラタンパク質およびキメラペプチドの二次元表面上での細胞挙動制御の効率,組成の最適化を行っており,これらのデータを踏まえて,メカノグラジエントゲルへのタンパク質・ペプチドの搭載を実施していく予定にしている。特にタンパク質はTGFβとbFGFを題材としており,ペプチドは細胞捕捉を担うCD44結合ペプチドを選定している。これらの機能をメカノグラジエントゲルに搭載することで,より高効率に軟骨への分化を行えると期待している。 次年度は,バルク硬度と一細胞レベルの力覚との相関について調査するとともに,創製したメカノグラジエントゲルに生化学的な刺激を細胞に与えることのできる「ケミグラジエントゲル」への拡張を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果の概要にも記載した通り,第一報目の論文の投稿も行い,申請時に掲げた目標に向けて着実に成果を挙げられていると判断できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
バルク硬度と一細胞レベルの力覚との相関について調査するとともに,創製したメカノグラジエントゲルに生化学的な刺激を細胞に与えることのできる「ケミグラジエントゲル」への拡張を行っていく。 加えて,傾斜構造の創製において高分子の分子量分布を利用した傾斜構造の創出に加え,光による架橋によるゲル素材の強化も図り,軟骨再生に即した足場材料にしようと改良を行っていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
細胞培養に関係する試薬を節約したことにより若干の予算消費軽減につながったことが挙げられる。この残額13000円は,次年度のタンパク質の大量合成のための試薬購入に充てたいと考えている。
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