2020 Fiscal Year Annual Research Report
Mechano- and chem-gradient gel for novel scaffold using in tissue repair
Project/Area Number |
18K19907
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中路 正 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (10543217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 和明 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (00432328)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | ハイドロゲル / 傾斜階層構造 / メカノバイオロジー / 間葉系幹細胞 / キメラペプチド / メカノ・ケミグラジエントゲル |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では,メカノケミグラジエントゲルの元となるポリマー素材上(二次元)およびゲル中(三次元)でのヒト骨髄間葉系幹細胞(hMSC)の分化誘導(分化制御)能の調査,およびメカノケミグラジエントゲルのプロトタイプ創製を行った。 まず,ゲルの元となるポリマー素材上での分化誘導能の調査では,特異的ペプチドで捕捉したhMSCを軟骨細胞へ誘導できることが示された。一方,三次元でのhMSCの分化誘導では,二次元上での誘導に比べ効率が半減してしまう結果となった。これは,細胞密度に起因する可能性と,ゲル中での培養に伴う酸素・栄養分の送達不十分さに起因する可能性の2点が考えられたことから,前述の点を重点的に最適化を行ったところ,細胞密度を1×10^7cells/cm^3以上とすることや,ゲルの厚さは2mm以下にすることで効率良く軟骨へ誘導できることが分かった。 前項では,グラジエント構造を持たないゲルでの分化誘導評価を行っていたが,グラジエント構造を有するゲルの作製方法の最適化を実施した。当初計画では,遠心分離法によりグラジエントゲルを作製しようと考え,ポリマーのみでのグラジエントゲル化は成功(昨年度の成果)していたが,細胞を混合した状態での遠心分離によるグラジエント化において細胞がすべて沈降してしまうためグラジエントゲル内に細胞を保持させることができなかった。そこで,UVによる架橋時に,UV照射時間を調整し架橋密度の異なるゲルにすることによってグラジエントゲルを作製する方法に変更した。UV照射時間に応じて硬度の異なるゲルを作製できること,また細胞を埋入させてグラジエントゲルが作製できることを見出した。詳細な分化誘導評価には至っていないが,引き続き研究を進め,メカノケミグラジエントゲル中での軟骨分化を証明したいと考えている。
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