2018 Fiscal Year Research-status Report
顕微鏡下複屈折測定の高分解能化と3次元化による組織内細胞の収縮力計測法の開発
Project/Area Number |
18K19912
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
杉田 修啓 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20532104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 匡徳 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20448046)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | メカノバイオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,細胞内部の収縮力を分解能よく3次元で測る手法の開発である.これにより,細胞内力の胚発生への影響や,外力の細胞内部への伝播等を解明するツールを提供することを目指している.現状では,生体組織内のような細胞の生理環境下で,また細胞内部の収縮力を計測する方法がない.我々は,光弾性を用いた収縮力計測を提案している.光弾性では引張方向の物質の屈折率が変わるため,力変化がリタデーション変化として計測できると考えた. そこで,生細胞の複屈折を計測したところ,リタデーションの発生個所がストレスファイバであり,細胞の収縮力の増減に合わせてリタデーションが増減することを確認し,この成果を報告した.しかし,これまでは細胞単位でリタデーションを計測してきたため,リタデーションが力変化によるものなのか,力を発生させるストレスファイバ量によるものなのかを決定できなかった.そこで,まずストレスファイバの量変化要因を取り除き,リタデーション変化が力変化に依存していることを明らかにした. しかし,現状では,この手法の計測分解能は細胞内の力分布計測には不十分であり,また2次元的な情報しか得られていない.そこで,計測分解能を向上させ,また2次元から3次元に計測を拡張する手法を確立することを目指した.当初は,画像処理による手法を計画していたが,その手法では実現困難であるとの結論に至った.そこで,観察光学系にピンホールを設けて,ピント面のあった像のみから複屈折量を計測する顕微鏡を開発することに取り組み始めた.そのため顕微鏡を設計し,仕様を決定した.今後は,まず装置全体を組み立て,光軸合わせを行って,装置の完成を目指す.その後,3次元的にリタデーションが既知である試料により,3次元計測の有効性を評価する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画した内容では研究目的達成が難しいと判断し,研究計画を変更したため.また,顕微鏡の仕様策定に予想より時間を要しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画よりは遅れているものの,仕様策定で大きく間違うことは,手戻りが大きくなるため,慎重に仕様策定を行う.
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Causes of Carryover |
研究推進方針を変更し,必要な研究装置を変更したため,仕様策定がやや遅れており,そのために,必要備品の手配が遅れているため.
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Research Products
(3 results)