2019 Fiscal Year Research-status Report
圧縮センシングを応用した治療時生体臓器の高次状態復元
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18K19918
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中尾 恵 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (10362526)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 圧縮センシング / 機械学習 / 臓器変形 / 治療支援 / 医用システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,生体構造や治療行為に関する事前知識を活用し,治療時に取得可能な低次元かつ局所的な情報のみを手がかりに,患者固有の生体臓器に関する高次元かつ広範囲の状態復元を目指す情報学的手法の探究である.本年度は,2次元画像に対する畳み込みネットワークと3次元形状データを対象とするグラフ畳み込みネットワークを結合した深層学習の枠組みを構築し、患者個人の1枚の2次元X線画像のみから腹部臓器の3次元形状を復元する際の推定誤差を調査した.過去に放射線治療を受けた104例の腹部3D-CT画像から得られた疑似X線画像と肝臓の3次元形状データ間の関係を学習した結果、平均形状間距離の中央値 6.7mm の誤差で肝臓形状の推定が可能であることを確認した.腹部X線画像は低コントラストであり,臓器境界が視認できない箇所において誤差は大きくなる傾向がある.初年度に構築した4D-CTデータに基づく統計変位モデルや画像周辺臓器の形状特徴に基づく臓器変形学習の考え方との連携により,形状復元精度の向上や腫瘍変位推定への応用が期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本テーマにおいて重要な位置づけとなる理論の構築やアルゴリズムの実装・評価が進んでおり、計画書に挙げた研究課題についてそれぞれ一定の成果が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
概ね順調に研究開発が進んでいることから,最終年度へ向け開発アルゴリズムの実装と検証を進める.京都大学医学部附属病院 呼吸器外科及び放射線治療科と共同研究を継続している.
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Causes of Carryover |
令和2年2-3月に国内/国際学会における研究成果発表のための出張を数件予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響により開催者より開催中止の申し出を受けた。これに対し、同発表を終息確認後の翌年度に延期することで対応する予定としている。なお、十分に終息しない場合はオンライン発表会や論文公開サイトを活用して成果発表を行う。また、外国からの輸入を要する研究機器の調達も年度内納品に遅れが生じる可能性があったため、次年度に調達を延期することとした。
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Research Products
(13 results)