2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of transdermal drug delivery system by ionic liquid
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18K19925
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石田 竜弘 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (50325271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
異島 優 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 准教授 (00457590)
清水 太郎 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 特任助教 (30749388)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 経皮吸収 / イオン液体 / ワクチン / ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパクや核酸など高分子医薬品の低侵襲的投与法として経皮投与技術の開発が切望されている。最大のバリアである皮膚の角質層を突破させるため、透過促進剤やマイクロニードルの活用、超音波や電気などの物理的な刺激を利用する方法などが提案されてきた。しかし、高分子医薬品の透過に成功した報告は乏しく、実用化に進む可能性のある技術の開発は未達である。イオン液体は陽イオンと陰イオンからなる常温で液体の物質であり、その特徴的な性質から、新たな電池材料や溶剤としてなどグリーンケミストリーの素材として活用されてきている。しかし、医療応用に向けた試みは行われていない。本研究の目的は、イオン液体をキャリアとし、皮膚角質層の突破という最も大きな課題を一気に解決するための高分子医薬品の低侵襲的投与法を開発することである。本年度の検討から、がん抗原ペプチドやアジュバントをイオン液体に溶解することにより、ペプチドおよびアジュバントの皮膚透過量、透過速度の向上がみられた。またペプチドおよびアジュバントをイオン液体で溶解した製剤をマウスに繰り返し貼付することにより、抗原特異的な細胞傷害性T細胞が誘導された。イオン液体を用いた経皮免疫によって誘導された細胞傷害性T細胞量は、抗原ペプチドとフロイント完全アジュバントを皮下投与して得られたものを上回るものだった。さらにがんを皮下移植したモデルマウスに本製剤を繰り返し貼付することにより、がんの成長抑制傾向が観察された。また抗がん剤封入リポソームとの併用により、有意な抗腫瘍効果が得られた。以上の結果より、イオン液体を用いて抗原ペプチドやアジュバントを経皮吸収させることで抗腫瘍免疫系を効率的に誘導できることが示された。
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Research Products
(2 results)