2020 Fiscal Year Annual Research Report
In vitro reconstruction of functional bile canaliculus-intrahepatic bile duct structure
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18K19932
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堺 裕輔 九州大学, 工学研究院, 助教 (10608904)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 肝細胞 / 胆管 / 肝毛細胆管 / リプログラミング / 再生医療 / 肝臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はこれまでに、肝臓を再構築する研究に取り組んできたが、肝毛細胆管に蓄積する胆汁の排泄機構は未だ構築されていない。本研究では、肝毛細胆管-肝内胆管構造・機能をin vitroで再構築することを目的とする。 2020年度は、ラットCLiP(初代成熟肝細胞を低分子化合物でリプログラミングした肝前駆細胞)由来胆管とCLF(肝細胞に取り込まれ毛細胆管に排泄される胆汁酸様蛍光試薬)を蓄積させたラット肝細胞スフェロイドを複合培養すると、培養胆管にCLFが排泄されることを明らかにした。一方、培養胆管と機能的に接合していない肝細胞スフェロイドはCLF蛍光の減衰が見られず、培養胆管のみではCLFを取り込まないことも確認した。 また、胆管に効率的に誘導するため、2つのアプローチから検討した。まず、CLiPをより未分化な状態である肝幹細胞ではなく、成熟肝細胞及び胆管細胞への分化前段階である肝前駆細胞にリプログラミング制御することを目指した。初期細胞密度を増加させ、単位細胞数あたりの低分子化合物の供給量及び肝細胞間の接着を制御したところ、胆管マーカーであるAqpやCftrの発現が高値を示した。さらに、胆管誘導のトリガーの一つとして知られているTGFβシグナルを活性化させるためにTGFβ阻害剤等を含まない培地で分化誘導すると、Aqp1の発現変化は限定的であったものの、Cftrは分化誘導前後で3~60倍の発現上昇が見られた。これらの結果から、リプログラミングを肝前駆細胞に留め、TGFβシグナルを活性化することによって効率的な胆管作製ができたと考えられた。
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