2019 Fiscal Year Annual Research Report
A gene delivery microdevice for single cells
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18K19942
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
熊谷 慎也 名城大学, 理工学部, 教授 (70333888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 未明 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 博士研究員 (60393807)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | プラズマオンチップ / マイクロデバイス / 細胞 / 大気圧プラズマ / 遺伝子導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞の形質を積極的に制御するために、遺伝子導入が行われている。遺伝子治療で、これまで難病とされていた病気を治す道が拓けている。様々な遺伝子導入手法があるが、遺伝子の導入効率が低いことや個々の細胞ごとに発現にバラつきが生じることが問題である。近年、工学的なアプローチであるが、大気圧条件下で生成される常温のプラズマ(電離気体)が、細胞への遺伝子導入に使用されている。プラズマの化学的・電気的・光学的性質に由来する反応性を利用して、高効率に遺伝子導入が行われている。本研究では、プラズマ技術とマイクロ電気機械システム(MEMS)技術を駆使し、プラズマ照射型シングルセル遺伝子導入デバイスの開発を行った。 マイクロデバイス上でマウス線維芽細胞を培養し、プラズマ照射を行った。蛍光プローブを用いて細胞へのプラズマ照射刺激の影響を評価し、プラズマ照射部直近に位置する細胞に変化を与えられることを確認した。続いて、蛍光試薬を用いてプラズマ照射による物質導入の過程を評価し、プラズマ照射によって細胞膜に形成される微細孔の大きさおよびその形成時間に関する知見を得た。一方、シャーレに培養したマウス線維芽細胞に対してプラズマを照射し、緑色蛍光タンパク質遺伝子(GFP)の導入に成功した。このGFPの導入成果とマイクロデバイスを併せることで、個々の培養細胞に対する効果的な遺伝子導入を実現できると考えられる。 一細胞に対して確実に遺伝子導入を行い、その細胞をマイクロシャーレ構造の中で増殖させることで、同じ遺伝情報を持つ細胞群(クローン)を高い効率で作り出せる。期待される応用として、iPS細胞の樹立には山中4因子を導入する必要があり、樹立確率は1%程度と低いが、本手法で各因子を細胞内に確実に導入し、高効率に初期化できる可能性がある。本研究成果は、医工学関連分野でのイノベーションを起こす第一歩となる意義を持っている。
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Research Products
(13 results)