2020 Fiscal Year Research-status Report
網膜への薬剤送達を目指したバリア突破型温度応答性スマートナノ点眼の開発
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18K19948
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
田中 佑治 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任准教授 (40625513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 重仁 東京理科大学, 理学部第一部応用化学科, 助教 (30780663)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 生体親和性ポリマー / バイオマテリアル / 眼科 / 医工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、前年度mRNA導入の効果検証系として選択したマウス視神経挫滅モデルへの神経保護物質の眼内注射実験系の検証を継続した。まず正常コントロールとして、細胞死抑制効果が報告されているROCK inhibitorまたは生理食塩水を視神経挫滅後のマウス眼内に注射した。網膜神経節細胞(RGC)数の評価方法として、処置5日後に摘出した網膜を展開して、代表的なRGCマーカーであるBrn3aとRbpmsを免疫染色した。未処置ガンに対する傾向陽性細胞の割合は、Brn3a染色では、生理食塩水で54.3%であったのに対して、ROCK inhibitor 注射眼が66.5%、Rbpms染色では、生理食塩水で48.5%であったのに対して、ROCK inhibitor 注射眼が60.3%と、双方共にROCK inhibitor注射眼でRGC保護効果が認められ、神経保護効果を評価できることを確認した。しかしながら、RGCに対する神経保護効果が報告されているBdnfのmRNAを内包したナノミセルを上記の視神経挫滅モデルに注射したが神経保護効果は認められなかった。そこでナノミセルを構成する生体親和性ポリマーを新たに検討して従来と異なるものを複数用意した。また、培養系での検証への移行の可能性を検証するために、網膜色素上皮細胞の細胞死保護効果検証系のFeasibilityを検証した。さらに。この生体親和性ポリマーを活用した新しい眼科治療法の提案をmRNAの導入に囚われずに検討して、眼圧制御を効果的に実現する新しいコンセプトの試薬の提案に繋げて特許出願や新しい予算申請等に繋げた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
挑戦的研究として難易度の高い研究課題であること、COVID-19による活動制限による影響で当初の計画どおりに推進することは困難な状況である。そのため、研究計画の見直し等を適宜行いつつ研究を推進しているため遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り、当初の予定通りに研究を推進するのは困難な状況であ李、さらに、施設改修工事が実施されることになったため、2020年度に準備した研究素材や新しい方針の中から、許された状況の範囲内で遂行可能な内容を選択して研究を推進する。
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Causes of Carryover |
COVID-19と施設整備の影響による。
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