2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of barrier-permeable temperature-responsive smart nano-eye-drops for drug delivery to the retina
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18K19948
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
田中 佑治 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任准教授 (40625513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 重仁 東京理科大学, 理学部第一部応用化学科, 助教 (30780663)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | バイオマテリアル / 眼科 / 温度応答性材料 / 眼圧上昇剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、前年度までに最適化した眼圧上昇剤の評価を詳細に行い、後継事業に向けて課題の抽出と対策に着手した。この眼圧上昇剤は、低眼圧症に対する治療を目的として開発を進めているもので、低眼圧状態に至った際に、この眼圧上昇剤を注射することで眼圧を正常値まで回復させることを目的としている。過剰に眼圧が上昇した場合は急性緑内障による失明リスクがあるため、氷水で眼球表面を冷却するだけで安全域まで下方調節できる特性を付与することを目指している。混合剤の注射1時間後には5 mmHg以上の眼圧上昇が確認できた。しかし10 mmHg以上眼圧が過剰に上昇した際に、氷水を用いて冷却したものの5 mmHg以上眼圧が低下するまでに90分以上の冷却時間を要した。臨床的に高眼圧状態が長時間続くことは好ましくない。特に注射後から眼圧が上昇し始めるまでにタイムラグがあるため、仮に複数回投与が必要になった場合にリスクが大きくなる。そこで30分以内に下方調節を達成することを目標値として設定し、原末の相転移温度を上昇させて冷却応答速度を早める改良を検討することとした。氷水での冷却直後に眼表面温度を確認したところ、27℃未満まで冷却することが困難であることが分かった。そこで相転移温度の目標を30℃として後継事業のための準備として分子設計を開行い、合成計画を立案した。一方、前年度出願した国際特許の各国移行のためにJST国際特許出願支援に申請手続きを行い、各国移行についても支援が得られることになった。
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