2020 Fiscal Year Research-status Report
グローバリゼーションと治安・健康・環境リスクの相互作用の分析
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18K19955
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
手島 健介 一橋大学, 経済研究所, 准教授
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Keywords | グローバリゼーション / 貿易と環境 / 汚染逃避地仮説 / メキシコ / メキシコ麻薬紛争 / 都市の歴史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、(a)先進国の環境規制が先進国・開発途上国間の貿易と途上国住民の健康に与える影響、(b)先進国の大型スーパーの開発途上国への進出が進出先住民の食品消費、栄養摂取および肥満に与える影響、(c)開発途上国企業と先進国企業との貿易取引関係のメカニズム解明、(d)メキシコ麻薬紛争による物品輸送の不確実性増加がメキシコ輸出企業-米国輸入企業間の貿易取引関係に与えた影響、(e)土地の取引費用が都市構造にもたらす影響の分析、の5つのトピックについて分析、執筆を進め、研究報告を行い、共同研究者との議論を進めた。 (a)については、2019年度完成させた論文の初稿の分析、文章をさらに洗練させ、研究報告を行ったのちに学術誌への投稿を開始した。 論文タイトル : North-South Displacement Effects of Environmental Regulation : The Case of Battery Recycling (b)については、すでに得られている結果の理解を深めるため、構造推定を開始した。 論文タイトル : Retail Globalization, Households' Diet and the Effectiveness of Sin-Food Taxes (c)については、2019年度論文がReview of Economics and Statistics誌から改訂要求を受け、それに従い改訂を行い再投稿した結果、再改訂要求を受けた。 論文タイトル : Assortative Matching of Exporters and Importers (d)については、データ整備を進め、理論的枠組みについての議論を共同研究者と進展させ、分析的枠組みを準備した。 (e)については、2019年度完成させた論文の初稿の分析、文章をさらに洗練させ、研究報告を多数行った。 論文タイトル(新) : From Samurai to Skyscrapers : How Historical Lot Fragmentation Shapes Tokyo
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記(a)は予定通りの進展を実現することができ、論文投稿に至ることができた。 上記(b)は買い物行動の構造分析という重要な新分析を含むことになり作業量が増えた。また2019年度は4回のメキシコ出張で密に共同研究を進められたが2020年はコロナ禍により海外出張を行うことができなかったことを考慮すると十分予想通りの進展の範囲内ということができる。 上記(c)(d)(e)はもともと1つの「(d)メキシコ麻薬紛争による物品輸送の不確実性増加がメキシコ輸出企業-米国輸入企業間の貿易取引関係に与えた影響」のものであったが、非常に野心的なプロジェクトであったため、予備的なプロジェクト「(c)開発途上国企業と先進国企業との貿易取引関係のメカニズム解明」に工程を分けてそれをまず進めた。さらに、取引費用と都市経済学、という点では類似トピックであるが国が異なるため「(e)土地の取引費用が都市構造にもたらす影響」も分け別論文として進めた。(d)単体では計画通りの進展だが(c)(e)と別の質の高い論文を執筆することになった。それぞれについて大きな進展が見られた。 したがって全体としておおむね順調に進展しているということができる。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、 (a)はこのまま論文の投稿を行い、採択をめざす。 (b)は研究協力者との議論を深めて学会での報告を行いつつ論文の改善を行う。 (c)は2021度中の採択をめざす。 (d)は分析を進め、論文の核となる結果を確定させることをめざす。 (e)は引き続き学会、セミナー報告を積極的に行い、また論文の改善を行ったうえで、年度内中の投稿開始をめざす。
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Causes of Carryover |
2020年度に予定していた海外出張すべてが新型コロナウイルス感染拡大により延期になった。この結果次年度使用が生じた。新型コロナウイルス感染状況が落ち着いたら当初の国際会議の開催、出張を実現させ、同時に2019年度、2020年度に予定していた国際会議の開催、出張も実現させる予定である。
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Research Products
(12 results)