2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18KK0018
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
ボルジギン ブレンサイン 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (00433235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 大和 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (50632303)
広川 佐保 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (90422617)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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Keywords | 満洲 / モンゴル / 戦前 / 戦後 / 満鉄 / 満洲国 / 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は終戦の混乱のなかで日本、中国、アメリカ、韓国など関係諸国に分散した旧「満洲」、モンゴル、朝鮮など多民族社会に関する社会実態調査資料を収集・分析することにより関連地域における戦前と戦後社会の連続性や変容について考察するものである。 2022年度前半には、コロナの流行でなお自粛ムードがあったため研究代表者や分担者は一部国内関連機関における資料調査を行ったうえ、手中にある資料分析に時間を割いた。後半に、国内資料調査と研究活動を再開した。また、日本国内や中国など海外の研究者とのオンラインによる情報交換や学術交流を行った。そして、2022年度の研究成果の総括として「『満洲』・モンゴル社会の再編と戦後の中国社会」と題する科研ワークショップ(2023.3.18、対面と一部オンライン)を開催した。ワークショップでは、本研究の分担者や研究協力者及び大学院生を含む6名の研究者が研究発表を行った。研究分担者である広川佐保先生は『蒙疆政権時代、オラーンチャブ盟の設立とその崩壊』と題する研究発表を行い、研究分担者である辻大和先生は「植民地満洲と朝鮮における薬業新聞について」と題する研究発表を行った。研究代表者であるボルジギン ブレンサインは「戦前期日本における元冠遺跡の政治利用について」と題する研究発表を行った。ほかに、研究協力者である大野大幹先生や木下光弘先生による研究発表と大学院生による研究発表が行われた。 「研究成果」のところで示すように、2022年度には研究代表者と分担者はそれぞれ本科研による研究活動の結果を研究論文にまとめて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度前半は新型コロナウイルスの流行がなお収まっておらず、海外調査など研究活動は、一定程度の影響を受け続けた。また、ここ数年の影響が尾を引いたこともあり、海外における研究ネットワークの再構築など課題にも直面した。こうしたなかで、オンラインによるシンポジウムの開催や研究交流を試み、一定の成果を上げてきたが、本研究の発展と深化には海外における調査を精力的に行うことが必要であり、これから行う対面による学術交流と現地調査に期待したい。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、引き続き「満洲」・モンゴルに関する戦前期の調査資料の収集分析に中心をおきたい。研究代表者は、引き続き満鉄による内モンゴル調査資料の整理に取りくみ、その成果の一部を年度中に出版できるよう目指している。また、研究代表者は現在、本研究プロジエクトの内容にかかわる研究テーマを抱ている博士後期課程の院生二名を指導しており、本研究で収集した資料の分析を若手研究者育成に活かしている。 研究分担者の広川佐保先生は中国やモンゴルにおいて資料調査や資料収集・分析を行う予定である。研究分担者の辻大和先生は韓国と日本に所蔵されている朝鮮総督府の「満洲」・モンゴル関連資料の調査分析に取り組んでいく予定である。研究成果の取りまとめや研究交流は対面によって精力的に展開したい。
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Causes of Carryover |
研究計画は全体としてやや遅れており、2023年度には精力的に海外における研究調査活動を行いたいと思います。
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Research Products
(6 results)