2023 Fiscal Year Research-status Report
Reconstructing of the history of handicrafts in Uzbekistan and the regional development through "tradition" of handicrafts
Project/Area Number |
18KK0022
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
菊田 悠 北海学園大学, 経済学部, 教授 (30431349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今堀 恵美 東海大学, 文化社会学部, 講師 (50600821)
宗野 ふもと 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特任研究員 (30780522)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2025-03-31
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Keywords | 手工芸 / 伝統 / ウズベキスタン / 地域開発 / 職人 / 陶業 / 刺繍業 / 毛織物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、新型コロナウィルスのパンデミックによる渡航制限が緩和されたため、ウズベキスタン側の研究協力者の協力を得ながら調査・研究・成果の発表等を進めることができた。 宗野は、昨年から引き続きサマルカンド市に位置するシルクロード国際観光文化遺産大学の教員として現地で活動した。この大学はウズベキスタンの観光業を担う人材育成のために2018年に開設されたものであり、地域ブランドによるまちづくりという当研究プロジェクトと共通する目的を掲げている。宗野は2023年9月にコーカンド市で開催された国際職人フェスティバルの国際会議において当プロジェクトについて英語でスピーチと資料提示を行い、多くの聴衆に当プロジェクトの概要と成果を発表した。 今堀は、2024年2月に相模原市にてウズベキスタンでの現地調査に基づく展示会を開催した。現地の職人2人を会場に招聘し、ワークショップの開催もおこなった。展示会およびワークショップには大勢の参加者が訪れ、大盛況となった。この開催を通じて、日本側にウズベキスタンの刺繍工芸の広がりを喧伝したと同時に、ウズベキスタン側に職人を通じて日本における伝統工芸の現状や活かし方等を伝えることもできた。 菊田は、2023年10月にこれまでのウズベキスタンでの陶業の調査研究を基にした論文を中央アジアの文化人類学的論文集に発表した。この論集はRoutledge社発行で英語で発行されたものであり、当プロジェクトの成果の国際的発表の場として評価できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当該研究プロジェクトに従事する研究者全員が、これまでの調査および研究の成果を国際シンポジウムや展示会・ワークショップの開催、国際的論文集への参加等によって発表することができたため、全体として当初の計画以上に進展したと評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
本プロジェクトは、2020年度前後に新型コロナウィルスのパンデミックによる渡航制限で調査が困難であったため、1年の延長を決定した。本年度は、各自が必要に応じてウズベキスタン側の研究協力者を訪問し、その協力を得ながらソビエト連邦時代から現在に至るウズベキスタンの陶業をはじめとする手工芸の変遷に関する資料を収集する予定である。また、ウズベキスタン職人組合の協力を得つつ各自のフィールドにおける手工芸の調査を行ないたい。調査の内容は、ソ連時代以降の製品・生産体制・技法の変遷、伝統とされる要素の変遷、伝統に関わる人々の言説、観光業との関係、2017年以降の手工芸振興策の影響等である。最終年度として、その成果の論文やシンポジウムでの発表も計画している。 さらに、夏ごろに、調査地の職人や共同研究者を日本に招聘あるいはオンラインでのシンポジウムを開催することも予定している。そのための打ち合わせや招聘費用等にも本科研費の支出が必要である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、2020年度から2022年度にかけて現地調査が非常に困難になり、当初の計画通りの渡航ができなかったため、次年度使用額が生じた。 今後は日本での展示会およびワークショップ、シンポジウムなどの開催と、研究者各位の現地調査および資料収集によって研究費を使用する計画である。
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