2022 Fiscal Year Research-status Report
Prediction of and evacuation from flood disaster in snowmelt season based on Soil Water Index and decision tree model -A case study of Tomsk city, Russia-
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18KK0028
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
松山 洋 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 教授 (50264586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 大地 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (90336511)
根元 裕樹 東京都立大学, 学術情報基盤センター, 特任准教授 (90805574)
齋藤 仁 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (00709628)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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Keywords | 土壌雨量指数 / 決定木 / 融雪災害 / トムスク市 / 避難行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022 年度には,これまでに行なってきた研究成果を公表することに重点を置いた。具体的には,2021 年度末に日本地理学会春季学術大会で行なわれたシンポジウム「日露協働によるシベリアの環境変化研究」の成果が,E-journal GEO 17 巻 1 号に掲載された。また,原著論文として,2012 年夏にトムスク周辺で発生した異常高温が水循環に及ぼす影響について,シベリアの他地域との比較を通じて考察したものが,雑誌 Water に掲載された。現在,シベリア南部における極端現象の長期変化傾向に関する論文を雑誌 Atmosphere に投稿すべく,ロシアの研究者と原稿をやり取りして完成度を高めているところである。なお,本研究に関連して,2022 年 4 月 17 日付讀賣新聞朝刊記事(ウクライナ危機 ロシアと学術交流中断相次ぐ)に,松山のコメントが掲載された。
この他,2022 年度には,トムスク周辺で融雪洪水にともなって河川氾濫が発生した時の住民の避難シミュレーションを行なうための基礎的研究を行なった。具体的には,マルチエージェントシミュレーションに関するプログラムを開発した。マルチエージェントシミュレーションとは,自分の周囲の状況を認識し,それに基づいて一定のルールのもとで自律的に行動する主体のことを指す。つまり、多数のエージェントが自律的に振る舞って行動する様子を再現できるようになったのである。2023 年度にはこのシステムを用いて,トムスク周辺での避難シミュレーションを行なう予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響およびロシアのウクライナ侵攻の影響で,日本とロシアの間の行き来が実質的に不可能になっており,予定通り研究を進められなかったにも関わらず,国際誌に査読付き原著論文を公表することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023 年度に行なうマルチエージェントシミュレーション(トムスク周辺で河川氾濫が起こった時の住民の避難シミュレーション)の結果を,早期警戒システムとしてトムスク国立大学の計算機環境に搭載して公開する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症,およびロシアによるウクライナ侵攻のために,日本とロシアの行き来が実質的に不可能になっており,外国旅費を執行する機会がなかったため。
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Research Products
(9 results)