2020 Fiscal Year Research-status Report
The Construction of Trans-Border Geopolitics of East-China-Sea Islands
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18KK0029
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山崎 孝史 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (10230400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花松 泰倫 九州国際大学, 法学部, 准教授 (50533197)
八尾 祥平 上智大学, 総合グローバル学部, 研究員 (90630731)
福本 拓 南山大学, 人文学部, 准教授 (50456810)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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Keywords | 東シナ海 / 島嶼 / トランスボーダー / 地政学 / 政治地理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度には、国境離島について、国境管理・領土防衛政策の強化(再領域化)と緩和(脱領域化)の観点から、個別・共同で現地調査を実施する予定であったが、コロナ禍の影響により、以下に記す、国際オンライン会議の共同発表、研究会の実施、そして書籍刊行へと研究計画を転換した。また、本年度は山﨑が4月に米国デンバー開催される全米地理学者協会年次大会において、山﨑および国際共同研究者がトルコ・イスタンブールで開催される国際地理学会議において、本研究に関連する口頭発表を行う予定であったが、これらも全て中止、延期された。 実施した活動のうち、国際共同研究者と参加した国際会議は2020年12月に韓国でオンライン開催された国連社会開発研究機構による"Environment and Peace Nexus (DEEPEN): Peace Making in Borderlands#である。12月5日のセッションで国際共同研究者(ParkとHsu)と山崎が朝鮮半島、台湾,沖縄に関連する地政学的テーマについて発表した。 国内研究会では2020年8月18日にオンライン開催された大阪市立大学地理学コロキアムで研究分担者である八尾が「沖縄戦と慰霊を台湾から見つめ直す」と題して発表した。また、2021年3月13日にオンライン開催された蘭信三・山﨑孝史科研費合同シンポジウムにおいても八尾が「〈あいだ〉の空間の生成についての試論―宮古島出身漁民の生活史を中心に」と題して発表し、山﨑がコメンテーターを務めた。 本科研の中間成果公開として2019年に実施した国際シンポジウムでの発表論文を国際雑誌"Geopolitics"での特集号に掲載する準備(論文査読)が山﨑の編集で進んでおり、山﨑が編集中の『「政治」を地理学する』(仮題)に福本、花松、山﨑が科研の関連テーマで寄稿している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各研究分担者と国際共同研究者個人による現地調査の実施はコロナ禍の中で進捗は滞っているが、その反面、オンラインでの国際会議参加や研究会の開催は実施できており、調査に費やす時間を研究成果公開に移すこともできたことから、国際雑誌の特集号と和書出版による中間的な研究成果公開が進んでいる。こうして進捗にプラス・マイナスがあり、当初の予定とはその様相が異なるがおおむね順調に進捗していると評価してよいと判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の影響により、令和3年度に予定していた国際会議の開催はあまりに不確定要素が多く、断念せざるを得ない状況にあるが、上にも述べた中間研究成果公開を次年度内に達成するとともに、令和4年度(本計画最終年次)に一定規模の国際会議を開催できるよう準備したい。目標はIGU(国際地理学連合)のテーマ別会議を大阪(オンラインと対面併用)で開催することであるが、そのためにIGU政治地理委員会、日本学術会議IGU分科会、日本地理学会等の協力を要請し、準備委員会を立ち上げる。合わせて各研究分担者、国際共同研究者の研究成果の多言語公開を進めていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により、予定されていた調査及び学会参加に関わる海外・国内出張が全て不可能になったので、次年度使用額が発生している。次年度も旅費の執行には困難が伴うと考えられるので、本研究のテーマと関わる書籍や論文刊行のための経費に充当する予定である。書籍に関しては現在すでに二冊の編集が完了しつつあり、出版助成申請の結果にもよるが、一定程度科研費を充当する予定である。
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Research Products
(14 results)