2023 Fiscal Year Research-status Report
Empirical Analysis on Impacts of the Second Thai-Lao Friendship Bridge on Household in Thailand
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18KK0050
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Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
Principal Investigator |
早川 和伸 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 海外研究員 (40458948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Keola Souknilanh 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター経済地理研究グループ, 研究グループ長代理 (10450553)
山ノ内 健太 香川大学, 経済学部, 准教授 (60804333)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2025-03-31
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Keywords | 国際インフラ / ラオス / タイ / 家計調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、タイとラオスを結ぶ第二メコン友好橋を対象として、この橋の設置が家計に与えた影響を分析している。家計調査等の個票データを用いた統計的分析とヒアリング調査を組み合わせながら分析を進めている。2022年度までに、タイの家計調査を使った分析に加え、ラオスの家計調査を使った分析を行い、いずれの研究でも、国際友好橋の設置は家計にプラスの経済的影響をもたらしており、タイ側では農家でとくに効果が大きいこと、ラオス側では食費への支出割合を減少させ、生活の改善に貢献していることなどが分かっている。タイの家計調査を使った論文については、既に国際的査読誌に掲載された。 また、国際友好橋の設置が、ラオスにおける外資系企業誘致に与えた影響について、経済センサスといった政府統計のみならず、昼間の衛星画像から生成された土地被覆データや、夜間の衛星画像から生成された夜間光データを用いながら分析を行い、国際友好橋の設置は外資系企業の誘致に貢献していることを明らかにしている。 2023年度では、上記のラオスの家計調査を使った論文、外資系企業誘致に対する論文を、国際的査読誌におけるレフリーのコメントに従いながら、加筆・修正を行ったりした。さらに、4本目の論文として、タイの労働力調査の個票データを用いながら、第二メコン友好橋が正規・非正規雇用の賃金格差に与えた影響に関して分析した。結果として、当該友好橋の設置は正規・非正規雇用の賃金格差を拡大させたこと、ただしその効果は地理的に局所的であることを明らかにした。本論文を完成させ、Discussion Paperとして刊行した後、国際的査読誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タイの家計調査を使った論文が、国際的査読誌である、Journal of Asian Economicsに掲載された。その他の3本の論文も国際的査読誌にて査読を受けているところである。とくにラオスの家計調査を使った論文については、修正要求を受け、再投稿した段階であるため、近いうちに採択される可能性が高い。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況で述べた通り、1本が掲載確定、1本が採択間近、残りの2本が1段階目の査読を受けている最中である。そのため、今後は最後の2本について、集中的に対応していくことになる。査読結果に応じて修正を行い、2024年度中の掲載を目指す。また、2024年度は最終年度となるため、これら4本の論文から分かったことを平易な言葉でまとめたレポートを作成する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍に旅費が支出されずに蓄積された分、今年度も残りが生まれた。次年度は最終年度になるため、様々な場所で研究報告を行い、これまでに執筆した論文の最終仕上げを行う。
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