2018 Fiscal Year Research-status Report
心の健康の保持増進のための国際支援プログラム評価指標の開発
Project/Area Number |
18KK0055
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
加藤 佳子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (30435052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 隆宏 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (60644523)
鳥居 深雪 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (90449976)
古屋敷 智之 神戸大学, 医学研究科, 教授 (20362478)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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Keywords | 心の健康 / 国際社会 / 支援関係者 / ストレス / ストレスレジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
支援専門職や家族などの支援関係者からの支援は、心の支援を必要とする要支援者が疾病や障害などの困難を克服する上で重要である。しかし支援関係者らは、要支援者との関係性において、固有の重篤なストレスに直面する可能性がある。そのため支援関係者らが心理支援を円滑に行うには、支援関係者ら自身の心の健康の保持増進を図る必要がある。 そこで、本研究では支援関係者の心の健康・生きがい増進モデルを構築し、国際社会で活用可能な支援関係者用支援プログラムおよび評価指標を開発し、その妥当性を検証することを目ざしている。 今年度は、研究の中核拠点とするオーストリアのシュタイアーマルク州にあるグラーツ大学で、キックオフミィーティングを行い、4名の研究協力者らとともに今後の取り組みの内容を明確化した。また、グラーツの2か所の心理支援施設に赴きインタビューを行った。その結果、オーストリアの支援関係者を取り巻く社会制度、社会規範といった社会資源、心の健康やストレスマネージメントなどの心理資源に関する理解を深めることができ、次の調査を行うための基礎資料を収集することができた。 また、あわせて文献調査を行っている。これまでの文献調査の成果として、心の健康を支援する心理職独自のストレッサーやストレスマネージメント関連要因について、予備的な調査を行うことができた。そしてこれらの研究の成果は、今後、海外でインタビュー調査や質問紙調査を行うための重要な基礎資料として不可欠である。またこの研究成果は、心の健康の支援に関与する他の専門職を対象とした研究に広げることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りオーストリアでキックオフミィーティングを行うとともに、文献調査に取り組むことができた。さらに、平成31年度に行う予定であったインタビュー調査にも着手できたので。
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Strategy for Future Research Activity |
中核共同研究拠点であるオーストリアでの研究協力体制を強化し、先進的な心理支援に取り組んでいる海外の研究者との協力関係を深め国際ネットワークの構築を推進する。そのための事前準備として、文献研究による情報の収集を進めるとともに、国内において予備調査を計画実施する。これらの情報に基づき、海外の研究協力者への提案を進めていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた一つ目の理由は、当初、物品費として、研究代表者と研究補助員が使用するパーソナルコンピュータ2台とプリンターを購入する予定であったが、研究補助員を雇用しなかったのでパーソナルコンピュータ1台のみを購入したため。二つめの理由として、研究代表者と研究分担者で研究に着手し、研究補助員の雇用を行わなかった。計上していた人件費については、オーストリアでの会議の開催にあたって専門職からの支援を得るためにのみ使用したため。主に以上の理由から次年度使用額が生じた。 次年度の使用計画として、文献検索や海外での調査の準備のために研究補助員だけではなく、専門職を雇用し、より高度な助言を得る計画である。また、研究補助員が使用するパーソナルコンピュータやプリンターを購入する予定である。
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