2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of education programme for early childhood period (Okinawa-Maori Model)with aim to bridge the gaps in health and academic ability
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18KK0066
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
小林 稔 文教大学, 教育学部, 教授 (70336353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嘉数 健悟 沖縄大学, 人文学部, 准教授 (50612793)
高倉 実 琉球大学, 医学部, 教授 (70163186)
増澤 拓也 琉球大学, 教育学部, 准教授 (80643709)
遠藤 洋志 琉球大学, 教育学部, 教授 (90369926)
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Project Period (FY) |
2019-02-07 – 2023-03-31
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Keywords | 自己制御 / 幼児 / 介入 / 格差 |
Outline of Annual Research Achievements |
所得格差が健康に及ぼす機序については,「相対的・絶対的貧困が社会心理的ストレスやリスク行動(食事の質や量,および身体活動量)に影響し,罹患率や死亡率を上昇させる」との先行研究がみられる。他方,社会経済的要因と学力に関しては,社会経済的要因が子どものライフスタイルや学習への動機づけに関与し,それらが学習の質と量に影響した上で,学力を左右するとのパスウエイ報告がある。本研究は,沖縄県とNZのマオリにおいて,社会経済的状況の優れない家庭の割合が多いこと,および貧困の連鎖を断ち切るという観点から,幼少期の子どもを対象とした自己制御力の向上をめざした教育プログラムの開発を企図している。そこで,2021年度の本研究の当初予定は,教育プログラムの改訂版の開発であった。他方,本研究は両国において幼稚園での実施を必須としているが,周知の通り,2021年度はコロナ禍の真っ只中であり,且つ,幼児まで強く影響する変異株の出現により,幼稚園等現場での介入研究活動が停滞した。このような状況にもかかわらず,2021年5月においては,沖縄県南風原町および中城村で幼児の自己制御力に関する質問紙調査を実施するとともに,本研究グループの2つ目の自作版カルタ(日本語版)を作成し,介入プログラムの1つとして試行した。加えて,これまで日本語で2種類のカルタを作成したが,2021年度末には,日本語から英語,英語からマオリ語に翻訳した。これに関しては,2022年度中に「英語&マオリ語版」カルタを作成し,教育プログラムの1つとして追加する計画でいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要の欄にも記したが,幼児まで強く影響するコロナウィルスの変異株(オミクロン)の出現により,幼稚園現場等に研究者が入れない,幼稚園関係者とコミュニケーションが十分にとれない期間が長期であった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画にも記しているが,本研究で開発する教育プログラムは,(1)デリバリーチャンネル(方法・手段)(2)場面・場所(3)理論的背景の3つの軸をベースにしている。まず,(1)のデリバリーチャンネルについては、集団セミナーやIoTを活用する計画であったが,今後も続くであろうコロナ禍を前提に考えると,集団セミナーよりもIoTに重点をおきたい。また,(2)の「場面,場所」に関しては,本来,主に幼稚園と家庭の2カ所を想定しているが,これも同じ理由でコロナ禍を考慮するなら,集団生活をしている幼稚園よりも家庭での介入を強める予定である。他方,3つめの軸である理論的背景については,変更しない。 さらに,今年度の研究を推進するという観点で記すなら,現場教員との打ち合わせをこれまで以上に積極的に行いコロナ禍であっても何ができ,何ができないのかの情報交換を密に行っていきたい。
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Causes of Carryover |
周知の通り2021年度はコロナ禍において、介入研究が実施できなかった。なお、2022年の介入計画については、介入園を3園、対照園を3園設けるとともに、認知的方略と行動的方略をミックスアップさせた介入を実施する予定である。さらに、これら介入は教育機関での介入であるため、当初計画より、介入概念を拡大させ、非介入園についても、介入機関終了後に、介入園に行った同様の介入プログラムを実施する。
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