2018 Fiscal Year Research-status Report
Modern Mathematical Analysis for the Fluid Dynamics
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18KK0072
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 扇丈 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (50273165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小薗 英雄 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00195728)
柳沢 卓 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (30192389)
筒井 容平 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (40722773)
高田 了 九州大学, 数理学研究院, 准教授 (50713236)
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Project Period (FY) |
2019-02-07 – 2023-03-31
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Keywords | 流体方程式 / 関数解析 / 調和解析 / 実解析 / 微分幾何 |
Outline of Annual Research Achievements |
3次元外部領域におけるLr-調和ベクトル場の次元を導いた. Lr-調和ベクトル場は法線方向が0である境界条件を課した空間Xrと, 接線方向が0である境界条件を課した空間Vrを考察した. どちらのベクトル場の次元も有限次元であるが, Xrの次元は1と無限大の間のrに対し, rに依存せず領域の境界の個数に等しい. Xrの基底はPoisson方程式の斉次Neumann境界問題の解によって構成し, この可解性はrに依存しない. しかしながらVrの次元は, 3/2より大きく無限未満のrに対しては空洞の個数に等しく, 1より大きく3/2以下の間のrに対しては空洞の個数-1であることが決定された. 3/2は3次元のPoisson方程式の斉次Dirichlet境界問題の可解性の閾値である. 3次元内部領域におけるLr-調和ベクトル場の次元は, Xrの次元は領域の穴の個数(第1Betti数)に等しく, 外部領域と同じであるが, Vrの次元は, rに依存せず, 1と無限大の間の全てのrに対し領域内部の空洞の個数(第2Betti数)に等しい. 即ち, 内部領域の場合は可積分指数に依存しないが, 外部領域の場合はVrの次元は可積分指数に依存する. 次に2次元外部領域におけるLr-調和ベクトル場の次元を導いた. 2次元の場合には, 90度回転させるとXrとVrは等しくなるため, 当然次元も等しくなる. XrとVrの次元は, 2より大きく無限未満のrに対しては空洞の個数に等しく, 1より大きく2以下の間のrに対しては空洞の個数-1であることが決定された. 2は2次元のPoisson方程式の斉次Dirichlet境界問題の可解性の閾値である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標であった, 3次元外部領域におけるLr-調和ベクトル場の次元の決定, 2次元外部領域におけるLr-調和のベクトル場の次元の決定が達成でき, 現在論文投稿中であるため.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通りに研究を遂行する. 具体的には, Lr-調和ベクトル場のHelmholtz-Wely 型分解定理を導出する. 内部領域の場合と異なり, 減少した空間次元数を考慮して修正を要する可能性がある. 調和ベクトル場の決定より,その補空間を構成するスカラーポテンシャルおよびベクトルポテンシャルの導出は, 楕円型方程式系境界値問題の可解性に帰着される. L2-空間においては, Hilbert空間上の正値双線形形式に関するLax-Milgramの定理が可解性に重要な役割を演じるが, 本研究班はすでに, 対応するBanach 空間における類似の存在定理を得ている. 従って, 解くべき楕円型方程式系境界値問題に付随する双線形形式が正定値になるべき閉部分空間の決定と, Fredholm の択一定理の条件である直交性(Banach 空間の場合は双対性)を検証する.
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Causes of Carryover |
交付決定から1ヶ月余りしかなく使用することが難しかったため, 次年度以降に計画的に使用することとした.
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