2020 Fiscal Year Research-status Report
Velocity imaging of turbulence flow using Rheo-NMR
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18KK0075
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菅瀬 謙治 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00300822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 大智 京都大学, 工学研究科, 助教 (40746616)
Walinda Erik 京都大学, 医学研究科, 助教 (80782391)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2022-03-31
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Keywords | Rheo-NMR / 速度イメージング / off-center Couette cell |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、2016年からScheler博士(ドイツ)とタンパク質の線維化に関するRheo-NMR(剪断流をかけながらNMR測定できる)の共同研究を続けている。これまでに世界最高感度のRheo-NMR装置を製作した。同装置ではガラス棒をNMR管に挿入し、NMR管だけを回転することで剪断流を発生させる。興味深いことに、この回転中心を僅かにずらして乱流をつくらないとタンパク質が線維化しなかった。しかし、乱流は理論的な解析が困難である。また、現在のRheo-NMR装置では乱流を厳密に制御できない。そこで、本研究では、回転中心を系統的にずらせられる機構を備えたRheo-NMR装置を製作し、それを持ってドイツのScheler博士を訪問し、同博士の特徴的な技術である水の流れのイメージング法で、実験的に乱流の速度分布を視覚化し、タンパク質に影響を及ぼす乱流の特徴を明らかにする。 昨年度は、ドイツのScheler博士を日本に招き、さらにまた別の機会に申請者らがドイツを訪問してRheo-NMRに関する共同研究を実施する予定であったが、コロナの影響でそれを実現できなかった。そのため、2020年度はすでに完成させているRheo-NMR初号機を用いてタンパク質のアミロイド線維化の研究を進めた。とくに筋萎縮性軸索硬化性(ALS)の原因と言われているSOD1とパーキンソン病の原因と言われているαシヌクレインのアミロイド線維化する速度をアミノ酸残基レベルで定量的に計測できる実験系を確立した。SOD1の研究については、J Phy Chem Bに論文を1報掲載することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Rheo-NMR初号機の製品化が決まり、その装置の最適化に時間を取られたため、Rheo-NMR二号機の装置開発が遅れている。なお、Rheo-NMR初号機はμRheo-NMRという名称でエアープロ株式会社から販売が始まり、すでに米国の研究者に1台販売された。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度もコロナの影響でScheler博士との交流が難しいことが予想されるため、ドイツで水の速度イメージングの実験を行うことは諦めて、日本でとにかくRheo-NMR二号機を完成させることに集中する。具体的には、コエットセルの内管(ガラス棒)を回転させるためのモーターとそのガラス棒を連結するドライブシャフトを開発する。それが済めば実際にNMR装置に装着し、動作チェックと装置の最適化を行う。
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Causes of Carryover |
コロナの影響のためScheler博士との交流が実施できず、さらにRheo-NMR二号機の製作が遅れているため、その分の予算が次年度使用額として生じた。
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