2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of the HWP polarimeter with a TES detector for inflationary probe
Project/Area Number |
18KK0083
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松村 知岳 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 准教授 (70625003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 理 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特別研究員 (30811525)
片山 伸彦 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (50290854)
櫻井 雄基 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任研究員 (50780847)
石野 宏和 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (90323782)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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Keywords | インフレーション探索 / 宇宙マイクロ波背景放射 / 偏光観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙マイクロ波背景放射(Cosmic Microwave Background=CMB)の偏光観測はインフレーション由来の原始重力波が生み出す B モード偏光パターンに対して感度を持つ。現在、地上、気球、そして衛星による観測計画が進行中であり、その発見に向けて世界的に熾烈な競争が行われている。本提案では、観測機器の鍵となる偏光変調器と焦点面超電導遷移端検出器を組み合わせた性能評価試験を行うことで、インフレーション仮説の検証実験の実現性を示す。この研究をフランスを中心として推進したPlanck衛星による極低温検出器に関する知見、また米国を中心としたCMB観測地上及び気球観測実験による技術的積み上げを取り込み国際協力を最大限に活用し実現する。コロナ禍による渡航を伴う研究ができないため、オンラインにて海外との共同研究者と議論を積み重ねることにより共同研究を進めている。本年は3本の査読付き論文がアクセプトされ、また、5本の査読なし学会プロシーディングス(SPIE)を投稿し、現在改訂して査読付き論文(SPIE-JATIS)として提出準備を進めている。具体的に成果のハイライトを3つに分類する。1)偏光変調器の開発の一部としてサファイアに対しモスアイ微細加工による広帯域反射防止膜を作成しミリ波特性を評価した。2)検出器の特性の一部として観測帯域の較正精度をインフレーション仮説の検証するための要求として導出した。3)単一超電導遷移端検出器をSQUIDを用いて読み出す試験環境を整えた。これにより衛星搭載を想定した100 mK環境での検出器試験が可能となる。また今後、偏光変調器を組み込む準備へと移行が可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により渡航を伴う共同研究が止まっているため遅れが生じている。また、国内での実験計画も実験室作業に時間的制約が設けられているため、想定していた進捗には至っていない。このため、昨年度に準備を想定していた超電導遷移端検出器と偏光変調器を組み合わせた試験準備に関しては、超電導遷移端検出器の準備は進んでいるものの、偏光変調器の統合は机上検討で止まっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、海外との共同研究は完全にオンラインで進めることを前提に研究計画を再構築する。旅費として計上していた予算計画は、国内での試験環境構築に振り替えることで、国内での準備状況の遅れを取り戻す。これにより研究成果を偏光変調器と焦点面超電導遷移端検出器を組み合わせた性能評価試験、そしてその試験結果を元にしたインフレーション探索の感度実証評価をシユレーションにて行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で想定していた旅費、また国内での実験進捗が想定と異なることにより次年度の使用額が生じることになった。次年度以降は海外渡航旅費は想定せず国際共同研究はオンラインによる打ち合わせのみとし、国内の試験環境構築に予算を当てることによりコロナ禍でも成果をあげる計画に変更する。
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