2022 Fiscal Year Annual Research Report
Superheavy Element Atomic Science Opened-up by the First Ionization Potential Measurements of Element 113, Nihonium
Project/Area Number |
18KK0086
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
佐藤 哲也 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究主幹 (40370382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 由太 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究職 (30711501)
後藤 真一 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (70334646)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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Keywords | 超重元素 / イオン化エネルギー / イオンビーム |
Outline of Annual Research Achievements |
超重元素では、強い相対論効果によって最外殻電子軌道が強く影響を受ける場合があり、周期律からの予想とは化学的性質が異なる可能性が指摘されている。第一イオン化エネルギーは、最外殻電子の束縛エネルギーを直接反映する物理量であり、これを実験的に決定することで、化学的性質を特徴づける電子配置に関する情報を得ることができる。 本研究では、2022年までに超重元素の第一イオン化エネルギー測定法開発のため、新規電子衝撃型イオン源の開発を進めた。本イオン源では、電子衝撃イオン化法として、Electron Beam Generated Plasma (EBGP)法を採用し、迅速な核反応生成物搬送が可能なエアロゾルガスジェット搬送法とを組み合わせた。これに加え、高真空が要求されるイオン化室内へのキャリアガス流入の低減をはかるため、新規に開発したエアロダイナミックレンズを導入することで、これを実現した。 超重元素イオンビーム生成に向けた最適イオン化条件探索のため、イオン化のための衝撃電子エネルギーや衝撃電子量等の種々の条件下で、安定元素を対象にイオンビーム生成を行った。He、Ne、Ar、およびKrの等量混合ガスを用いて、イオンビーム引き出しをおこなったところ、衝撃電子エネルギーを大きくするにつれてビーム生成量は増大し、100 eVないし150 eVを超えたところでビーム電流は飽和することがわかった。さらに、原子番号が大きくなるにつれて相対的なイオン化効率は増大することから、原子番号が大きい超重元素のイオンビーム生成において、今回開発したガスジェット結合型EBGPイオン源が有利であることを確認した。当初計画では、ロシア SHE-Factoryにて超重元素を対象とした試験を行う予定だったが、国際情勢の変化により国内でのテスト実験を余儀なくされた。
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Research Products
(6 results)